悪魔な彼女と奇妙な日常
柏木 維音
白森イツキの独白
死ぬ間際、1番初めに頭に浮かんだのは両親の姿で、2番目に出て来たのはあの女性の姿だった。
僕は自分自身をそこそこ普通の人間だと思っていた。だから、そんな普通の人間に似合った普通の人生を送ることを目標にしていた。しかし思い返してみるとなかなかどうして、不気味で奇妙な出来事が満載の、退屈しない人生だったのではないだろうかと薄れゆく意識の中でぼんやりと考える。
そんな不気味で奇妙な出来事にはいつも、彼女か、彼女の知り合いが関わっていた。助けてもらうこともあれば、彼女が持ち込んで来た厄介ごとに巻き込まれることもある。協力して事件を解決したこともあれば、対立したこともあった。
怪異に襲われたり、知り合いが巻き込まれて一緒にひどいめにあったり、頭がおかしくなりそうになったり、殺されそうになったり……彼女に会わなければ、僕はきっとそんな大変な思いをしなくて済んだのだろう。大変だと思う間もなく殺されていたのだろう。
彼女は悪魔の様な女性だった。金にうるさく、相手の事を見下してばかりで思いやることをしない毒舌家。助けてくれたのも自らの目的の為だったし、僕が死んでも何も思わないのだろう。それでも、僕は彼女との出会いに後悔はない。
悪魔のような女性、
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