第111話
あれから、半刻後………。
疲れから足に来てオーガへのトドメの攻撃がズレてしまった。オーガは棍棒を両手に持って野球のバッターの如く振り回して、俺を攻撃して来た。
ヤバイ直撃する!
と思ったその時、ガラムが身を挺して俺に覆い被さりる。その直後、オーガの強烈な一撃の衝撃を受けて、俺とガラムは吹き飛ばされた。
「ガラム、大丈夫か!」
ガラムはオーガの強烈な一撃を背中で受けてしまって虫の息だ。
『足にきてるなら……少しは…休め……。』
最後にガラムはそう言い残して光と共に消え失せ、カードへと戻った。
このやり取りの間にも俺に向かって追撃してくるオーガの眉間をアークの弓矢が撃ち抜く。オーガは2〜3歩進むとそのまま倒れて、光と共に消え失せた。
『冬夜殿、大丈夫ですか?』
アークが駆け寄って来て、俺に異世界産のポーションを全身に振りかける。いつ見ても驚くが、それである程度の傷は回復した。
ただ、体力まで回復せず疲れは溜まったままだ。念のためにもう一本のポーションをアークに無理やり口に入れられて、それを飲み干した。
「ありがとう、もう大丈夫だ。あと少しだ、このまま行くぞ!」
『冬夜殿は、後方にて休んで下さい。後は我々でオーガとオークを倒しきります!
そして、後ろでこの軍を率いている奴も………倒し切ります。』
ペックスとダンべが前線でオーガとオークを相手取り戦っている。
アークの助言もあるが、心配になり俺も参戦しようとしたが、秋実が俺を無理やり後方へ連れて行く。もう全回復していると移動しながら伝えたが、秋実は俺に回復魔法を掛けてくれていた。
「冬夜……無理し過ぎだよ。態々前線に行かなくても、アークさん達に少しは任せてよ。心配し過ぎて見てられないよ。さっきだって、ガラムさんが身を挺して守ってくれなかったら………、大変な事になってたんだよ。ねぇ、分かってる!?冬夜はこの拠点の要なのよ、私や夏っちゃん達の代わりは居るけど、冬夜の代わりは誰も居ないのよ!」
秋実が言っている事は、分かっているつもりだが、どうしても心配で前に出てしまう。
「……心配してくれて、ありがとう。ただ、俺にとっては秋実の代わりは居ないよ。それだけは分かっていてくれ。」
「……うん、分かってる。」
そう言って、後方にて下がって地面へ腰を下ろした。
そこへ不運にも一本の流れ矢が飛んできて……秋実を襲った……。
「ッキャ。」
秋実が矢を受けて地面へ倒れ込んだ。
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