走り幅跳び

放課後、担任の優奈先生の来るのを待っていた。


ガラガラ~ってドアを開け、優奈っちは教室に入って来た。


「陸上部やりたい人~?」

って言うから

「はーい」

って手をあげた。

美羽ちゃんも

「あっ!あやめっち陸上やるんや~」

って感じでボクのことを見てた。


「じゃあ、あやめっちは、体操服に着替えて、校庭に行ってねー」

って優奈っちに言われた。


着替えて校庭に行ったら、陸上部希望のみんな、もうすでに集まっていた。


「おおーっ!あやめっち来たなー」

って陸上部の先生。

「あやめっちは、走り幅跳びなっ!」


「ええーっ?リレーとちゃうのー?リレーのつもりで来たのにー」

って思った。


砂場にひとりで行ったけど、ボクひとりやったから、とりあえず、ひとりで砂場に向かって飛んでみた。


先生も、いつまで経っても来やしないっ。

ひとりで飛び続けた。


校舎のボクのクラスの教室の窓のほうから、なんか視線を感じるな~って思っていたら、美羽ちゃん、窓から身を乗り出して、ボクの飛んでるのを見ていた。


だから、美羽ちゃんに

「こっち来てよー」

って手で合図した。

そしたら、美羽ちゃん、すぐに砂場まで飛んで来てくれた。


「走り幅跳びボクひとりやねんでー」

「知ってるよー!ずっと見てたから」

ボクは美羽ちゃん、見てくれているから、気合いもめっちゃ入って、トリャーて飛んだ。


「おおーっ!」

って言いながら美羽ちゃんはパチパチパチ~って手をたたいてくれた。


リレーやるつもりだったのに、砂場でひとりで走り幅跳びやり始めたけど、美羽ちゃん見てくれてるから、ひとりで飛んでても、なんか面白い。

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