慟哭
背後を振り返って、桧山カナデが見えなくなった頃。
ヒナがまたしても、何か見つけた。
ヒナはほんとに、色んなことによく気がつく子供だった。
「あ、あれ。おにい、
なんか、あの子泣いてるよ!」
「え」
ヒナの指差した先を見ると。
木の影に女の子がいた。
見たところ、ヒナと同じくらいの背格好だから、同じくらいの歳の子かもしれなかった。
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