会いたくないし震えない(23年3月28日)
2023年3月28日(火)
晴れ
久しぶりに快晴です。朝起きて太陽を浴びるとセロトニンがどうたらこうたらという話もありますが、私は吸血鬼でもないのに太陽が苦手です。眩しいから。眩しくない太陽を浴びたい。
けれど暖かいのは好きです。花粉さえ飛んでなければ春は本当に最高。うふふ、お花もきれいに咲いてますわ〜。
でも花が咲くと虫たちも動き始めます。
虫はめちゃくちゃ嫌いというわけではありませんし、見るだけならむしろ好きなくらいなんですが、予想外の行動を取られるのは困ります。ので、なるべくなら会いたくない、少し遠くで眺めていたいというのが本音です。
黒い彼には会いたくもないし見たくもないけど。
虫が多くなっても春は家の中も暖かく、非常に睡眠に適しています。頼む。このまま一生布団のなかで過ごさせてくれないか。ダメです、起きなさい。そう言って今日もスマホが元気にアラームを……鳴らしませんでした。
私は電話着信が得意ではないので、防衛本能から耳が着信音を自動ミュートしており、代わりにスマホのバイブレーションをアラームに使っています。私の目覚めはいつもスマホの震えから。おおよしよし、私に会いたくて震えてたんだねスマホ〜。
でも今朝は震えていませんでした。バイブは死んでいたのです。
スマホバイブの死、しかしそれは布団永眠権を許可するものではありませんでした。ギリのところで目覚めて、バイブは鳴ってないのにアラーム画面だけは元気なスマホが朝を告げてくれていました。
乗らなきゃいけない電車には間に合った。競歩で。
めちゃくちゃ大慌てで家を出たのですが、道すがら、歩道の脇に例の黒い彼が干からびて死んでいるのを見ました。まだ出てくるには早かったんだ。そんな姿で会いたくなかった。元気な姿でも会いたくはないけど。
電車の中で触るスマホは、タッチのたびにちょっとバイブが震えるタッチフィードバック機能も死んでいるので、なんだか触っても反応がなくて味気ないです。私のことをスマホが忘れてしまったような、そんな気分にさえなります。
春、それは出会いと別れの季節。
——ねえ、スマホバイブ。
生まれ変わったら春になって、私に会いに来てね。
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