『THE BATMAN』 冨岡義勇VS猗窩座

 リドラーというヴィランが、ハロウィンの夜にゴッサムの市長を殺害した。

 彼はバットマンに、謎掛けを残す。


 警察本部長まで殺害され、バットマンは調査に乗り出し、謎掛けの答えであるペンギンの店へ。 

 裏社会のボスの右腕であるペンギンと接触し、そこで働く謎の女と遭遇した。

 彼女は麻薬組織に追われている同居人を助けるべく、店で同居人のパスポートを入手した。

 しかし、同居人は拉致されてしまった。


 また、謎の女と協力して調査していた検事も、犠牲者に。



 内容としては、もっともヒーロー物らしくない。

 ブルース・ウェインの財力を余すところなく発揮することなく、アジトも地下である。表舞台にも顔を出そうとしない。健康管理も行き届いていないのか、目にはクマもできている。


 正義をまっとうする健全なヒーローとして描かれておらず、ダークヒーローというより「悪の敵」と呼ぶに近かった。

 殺さずを貫いているものの、非合法やむなしなところなど、洗練されていない分、彼の本性が浮き出ていて興味深い。


 とはいえ、市長の息子に自分を照らし合わせてなにが何でも守ろうとするなど、甘さは抜けていない。

 そこが、また人間臭くていいのだ。唯一の良心というか。


 一方、リドラーはゴッサムの汚点を浮き彫りにしようとしている。

 才能はあるのだが、いわゆる無敵の人だ。

 表面上は綺麗事ばかりなゴッサムを憎んでいる。



 主人公バットマンの声を櫻井孝宏氏、ヴィランのリドラーを石田彰氏が演じる。

 絵面からすると、「冨岡義勇VS猗窩座」といえる。


 終盤でバットマンを悪の道に誘おうとするさまなどは、まさに「鬼にならないか?」と煉獄杏寿郎を誘惑する猗窩座のよう。

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