『海辺の映画館―キネマの玉手箱』 マフィア梶田を見るため三時間
タイムスリップして、絶望を回避できるか?
尾瀬にある海辺の映画館が閉館を迎える。
映画好き二人とチンピラ崩れな僧侶の倅が、上映中の映画の中に閉じ込められた。
彼らは同じく映画の中に閉じ込められた少女を助けようとした。
だが、彼女は映画内で非業の死を遂げる。
歴史が変わっても、彼女は殺され続ける。
また、映画の中で出会った遊女や、幼なじみ設定の少女たちも、次々と死んでいく。
原爆投下の日を迎え、主人公らは今度こそと行動を開始するのだが。
三時間もあるので、かなり疲れる。
ただ、達成感のある疲労感で、長い映画を見たしんどさとはまた違った感覚はある。
客を選ぶのは確か。
下手すると、『金田一耕助の冒険』よりクセがつええ。
映画の中だから、彼らは死ぬことはない。その現象には、
「観客は映画でしか物語を体験できないし、歴史を変えることはできない」
という残酷さも秘めている気がしてならない。
大林氏がミュージックビデオを手掛けた縁か、元YMOの故・高橋幸宏氏が「未来から来たガイド」として、映画に登場する。
また、オタ系のキャストからはマフィア梶田氏が将校役で登場する。
個人的には、マフィア氏を見るために見ていた感はある。
マフィア氏は大林監督から「いい人柄だった」と、役柄ではなく人格を褒めてもらったと自身のチャンネルで語っている。
また、「また次の現場でお会いしましょう」と「末期がんなのに、まだ次も映画を撮る気なのか」と、驚愕したという。
映画を牽引していた第一人者としての意地を、垣間見たそうだ。
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