『アフリカン・カンフー・ナチス』 ヘルマン・ゲーリング(天龍源一郎

 ヒトラーと東條英機は、戦後もガーナに生き延びていた。

 彼らは独自の呪術でガーナ人を洗脳して、支配していた。


 おまけにヒトラーは、自身が主催する格闘技大会で、何でも望みを叶えるという。


 彼らによって主人公は、カンフー道場を壊され、恋人をも奪われた。

 復讐に燃える主人公は、ガーナ各地にいる達人たちに弟子入りして腕を磨き、ガーナ人を襲う呪いの解き方も学ぶ。



 これぞB級映画という出来。

 血しぶきの出方など、もろ80年代を意識している。


「ナチスがガーナを支配する」

 というメチャクチャ設定なのに、構成が実にシンプル。


「ガーナを占領した外国人に道場と恋人を奪われた男が、修行の末に再起する」


 という、めちゃくちゃわかりやすい話に落とし込んである。

 そのため、荒唐無稽な設定もすんなり受け入れられるのだ。


 また「ガーナ」を名乗っていることから、イギリス植民地から抜けていると思われる。

 そのため、クソめんどい歴史背景などは、まっっっっっったく考えなくていい。 


 ぶっちゃけナチスによるガーナ占領は、設定のアクセントとしてのみ生きている。


 カンフーも本格的か、素人のオレにはわからない。

 デブゴン声優こと「水島裕」氏が主人公を演じているが、ちゃんとしたカンフー映画化と言われると謎である。

 ガーナの格闘術が出てくるとか、そういう変わった設定もない。



 なぜか字幕も吹き替えも、ほぼフル関西弁というこだわり。


 予告編ナレーションは若本規夫氏がつとめるも、本編には出ていない。



 ヒトラーの側近で、ドイツ空軍総司令官ヘルマン・ゲーリングの声は、天龍源一郎が担当している。

 が、セリフが聞き取れないので字幕付き。


 東條英機役は「秋元義人」なる人物が演じている。

 だが秋元氏は、どこの情報網にも載っていない。

 誰やねんと思ったら、なんと監督の知り合いで一般人だとか。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る