【注意!】熱心なファンこそ業界を衰退させる?

エテルナ(旧おむすびころりん丸)

【注意!】熱心なファンこそ業界を衰退させる?

日本が14年ぶりにWBC王者を奪還しました。おめでとうございます!


いやはや、ここ数日はWBCに釘付けになってました。

メキシコ戦からの村上復活劇から、アメリカ戦での大谷VSトラウトでの締め括り。

事実は小説より奇なりとはまさにこのことです。

SNSでも盛んに言われている通り、これを漫画にしたら「出来すぎ」ゆえにボツにされることでしょう。


さて、日本国中が熱狂したWBCですが、以降は多くの人が野球とは関わりのない日常生活に戻ります。

それは筆者しかり、過去には少年野球はしてましたが、プロ野球にはそれほど興味はありません。

もちろん、これを機に野球に携わる人が増えるのは間違いない。しかし大きい大会にだけ熱狂する『にわかファン』がいるのも事実です。


こう書くと否定的なように見えてしまうかもしれませんが、そんなつもりは一切ありません。

むしろ『にわかファン』が増えることは喜ばしいことなのです。

一つのコンテンツの隆盛ににわかファンは必須です。一握りの熱心なファンだけでは、とてもコンテンツを栄えさせる経済効果を生めません。


例えば剣からビームを出しちゃうような戦国ゲームは多大な経済効果を生みました。

さほど歴史に熱心ではない客層も取り込むことで、次回、また次回とコンテンツを絶やさず生み出し続けることができます。

また絶対数が多ければ多いほど、ニワカの中から真のファンが誕生する機会が増えます。


逆の例で言えば格闘ゲーム業界が挙げられます。

格闘ゲームは新参者に厳しく、初心者を迎合するどころか初心者狩りをするという、えげつない行為さえ行われています。


「最近いい格闘ゲームが出ないね…」


そういう熱心なファンが、自分で自分の首を絞めている。にわかファンから注がれるお金を途絶えさせてしまっているのです。

唯一、任天堂の大乱闘スマッシュブラザーズだけは隆盛してます。

登場するキャラクターの人気があまりにも強く、認知度が高いがゆえでしょう。

しかしそんなスマブラすらも格ゲーオタクからしてみれば――


「スマブラは格闘ゲームではない」


と言ってしまう始末です。これでは栄えるはずがありません。

また筆者の大好きなSFやミリタリーも比較的狭量な文化性があるように思えます。


『SFを語るなら最低でも1000冊読め!』


この言葉を知ってる人は知ってると思いますが、今の時代にこの哲学が通用すると思いますか?

昔と比べて無料で楽しめるコンテンツが無限に溢れるこの時代で、小説を1000冊読めなんて言っても、誰も参加したいとは思わないでしょう。


戦国ゲームやガルパンやウマ娘のように、一コンテンツを盛り上げたいのなら、ソフトなファンを広い器をもって迎えてあげなければならないのです。


今回のWBCの裏で、一人の女性ユーチューバーが胸元を大胆に開けた画像を投稿したことで叩かれていました。

いわくTPOをわきまえろ、宣伝目的じゃないのか、とのことです。

筆者は彼女のことは何も知りませんが、犯罪行為ではなく、チケットを転売する訳でもなく、ドレスコードを破った訳でもありません。

話題性のあるものに金銭目的で近付くのは、どの世界や業態でも自然であり、それが人の不幸を金にするものならともかくとして、そうでないなら流石にこれはやりすぎです。

むしろ全く違うコンテンツの著名人が抱えるファンを、野球に興味を抱かせるきっかけを作っているのですから、野球界の隆盛には有難いことでもあるはずなのです。


野球は世界的に見ればまだまだマイナーなスポーツです。しかし今大会で芽生えたチェコとの熱い友情のように、今後野球界が盛り上がるきっかけを作れたことが、なによりWBCの大成功でした。

大谷のような素晴らしい人間性を見習って、ファンの方たちはにわかファンを寛容な心で受け入れるべきでしょう。

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