日々

@LIAR27

休憩室

青空を見ながらグミを口に流し込む

小さい袋に入った4種の味の小粒のグミを何味かも気にせずに一口で口に入れると全ての歯を使うくらいに噛んでいく

袋を真っ逆さまに口に流し込んだ時

目の前に広がるのは青空だった

空に浮かんだ不揃いの白い雲と背景の青の差がくっきりとわかる青空

休憩室は沢山の人が先に座っていた

人目に付かない個室のような柔らかい椅子はいつだって空いていない

空いている時間にお昼がくるパターンではないのだ

人気のない席はガラガラだった

そこの角に座るとWBCの結果をテレビがなく確認できていなかったので確認する

日本は見事優勝していた

その前のハイライトを遡ってみてみると

9回裏でまさかの逆転劇

できすぎにも程があるだろ

というほど八百長を疑う逆転だった

その純粋な疑いをしてる時

ホテルカリフォルニアのピアノバージョンが流れていて

その曲を聞くといつも昔学校の先生にいじめられていたという父を思い出す

父は珍しくなのかわからないが牛乳が嫌いで学校の給食は苦痛の時間だった

昭和というのは平成や令和と違い気合いとか体罰とかそういうのは横行していた

父親もそれを受けた1人で

毎日牛乳を口に突っ込まれて嫌な思いをしていたらしい

また決まってその先生の好きな曲を流す給食時間だったらしいが

その曲というのがホテルカリフォルニアだった

だからこの曲を聞くと思いだしてしまうんだよと父親

まぁわかるという若干冷たい返事をしていた記憶が蘇る

そんなことしてる間に睡魔が襲ってきて気がつくと休憩時間はだいぶ経っていた

休憩時間は60分あるのだが僕はいつも40分程度で戻る

休まないで

誰よりも早くきて誰よりも遅く帰るそんな美学もあったからだ

僕の考え方も昭和だ

時代は日々繰り返す

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