第11話 総ターン数18ターン目自軍ターン開始、そしてローザのイベントの選択肢を選ぶ。
総ターン数18ターン目自軍ターン開始。
ここでいったんセーブして、今日はゲームをやめよう。また明日ファンタジー戦記なSLG『正義の旗を掲げよ』で遊ぼう。
いろいろあって、ファンタジー戦記なSLG『正義の旗を掲げよ』をプレイしてから三日経ってしまった。今夜はのんびりゲームできるから、楽しく遊ぼう。
最新のセーブデータをロードする。
改めて、総ターン数18ターン目自軍ターン開始。
よっしゃー!! 赤髪の聖騎士アベルが鍵開け要員のジャンに隣接した!!
すかさず『会話』選択!!
アベルとジャンのイベントが始まった。
■■■
「待て!! 逃げるな……っ!!」
「ゲホゲホッ。見逃してくだせえ!! オイラは村を襲うなんて、そんなこと知らなかった!! オイラは誰も殺していない!!」
「斬られたくなければおとなしくしろ。逃げればお前の背中から斬る!!」
「わかった。おとなしくする。だから騎士様、命だけはお助けを……っ」
『アベルがジャンを捕縛しました』
■■■
へー。『捕縛』って『会話』で出来るんだ。便利。
私が今までプレイしてきたファンタジーSLGでの『捕縛』は捕縛コマンドを選んで攻撃力が減少した状態で敵を撃破することが多かった。そして捕縛した敵は『救出』みたいに担いだ状態になっちゃってうっとうしかった。
捕縛状態の敵からアイテムとか武器とか剥ぎ取って『解放』するのは面白いなあと思うんだけど……。
アベルがジャンを捕縛したから【第三章A ガザ村炎上】の勝利条件を満たした。
マップから敵性勢力がいなくなったからね。
■■■
『村人2名救出、3名が盗賊に攫われ、15名が死亡しました。徳とカルマの数値が変動しました』
■■■
うわー。村人15人も死んじゃったんだ。どうやってその15人を助ければよかったの?
雨音と共に、雨グラフィックが村マップに降り注ぐ。雨に打たれて燃えていた家屋や納屋、牛小屋や鶏小屋の火が少しずつ小さくなっていく。芸が細かい。
司祭ローザのイベントが始まった。
■■■
雨が降っている。この雨は恵みの雨だが、希望を絶つ雨でもある。
雨が降り続けば家屋や納屋等を燃やしている火は消えるだろう。でも、雨が降り続けば逃げ去った盗賊たちの足跡や痕跡は薄くなり、消え去るに違いない。
私が雨空を見上げて僅かな間、物思いに沈んでいると聖騎士アベルが現れた。
「ローザ様。盗賊の拠点の場所を知っている男を捕縛しました。盗賊の拠点に向かいますか?」
アベルの問いかけに、私は……。
【選択肢】
盗賊の拠点に向かう
盗賊の拠点に向かわない
■■■
「ローザのイベントで選択肢が出て来た。これってアベルがジャンを捕縛したから選択肢が出たのかな?」
私はそう呟いて『盗賊の拠点に向かう』を選んだ。
ローザのイベントが始まった。
■■■
「盗賊の拠点に向かいましょう」
私はアベルに決然と言った。攫われた村人たちを助ける手立てがあるのなら、行動すべきだ。
「私とアベル、カインと道案内の盗賊の四人だけで盗賊の拠点に向かいます。私はカインに同乗するので、アベルは道案内の盗賊を馬に乗せてください。準備が出来次第、すぐに出立しましょう」
「わかりました」
「私はヤンに盗賊の拠点に向かうことを伝えます。アベルはカインと盗賊に出立の準備をするように伝えてください」
「はい」
私の言葉にアベルが肯く。そして私とアベルはそれぞれに行動を開始した。
■■■
「次のマップはアベルとカイン、ローザとジャンの四人が強制出撃なのかな。まさかの女主人公リラが置き去りに……」
私はそう呟いて、ゲームを進めた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます