第8話 総ターン数13ターン目、自軍ターン開始。総ターン数14ターン目、自軍ターンに味方の増援出現!!
総ターン数13ターン目、自軍ターン開始。
やっとロッソとリカルドが会話できるー!!
私は喜び勇んでロッソとリカルドを隣接させて『会話』コマンドを選択する。
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「父さん……っ!! こんなに怪我して。あいつら絶対に許さない……っ」
火傷を負って横たわる父親の傍らに跪き、ロッソは涙を流す。
「ロッソ……。母さんが……奴らに連れていかれた……っ」
リカルドは火傷を負っても右手で柄を握りしめていた短剣を息子に差し出す。
「頼む。母さんを……マリサを助けてくれ……」
「わかったよ、父さん。オレが絶対に母さんを助ける……っ!!」
ロッソは父親が差し出した短剣を受け取って柄を握りしめ、立ち上がった。
【自軍ユニットロッソが友軍ユニットになりました】
■■■
えーっ!! ロッソが友軍ユニットになっちゃった!!
ロッソ、勝手に行動しちゃうのー!? ただでさえ自軍ユニットの人数が足りないのに!!
「ロッソとリカルドの会話イベントを発生させないのが正解……? でも私、会話イベント見る派だし……」
そしてロッソのお父さんは村の少年でしかない息子に物理攻撃力が低そうな短剣を渡して盗賊に立ち向かわせようとするのが無謀すぎる……。
ロッソ死んじゃうよ。私がなるべく死なせないように頑張ろうとは思うんだけど、今、回復できるのリラしかいないから、リラがロッソにくっついて行くとリカルドとか他の村人が死んじゃうと思うんだよね……。
「『初級回復薬』を持ってるアベルにロッソを護衛させて、リラは火傷してる村人の回復を頑張ろう。『初級回復薬』を使い切ったカインは井戸に向かわせて消火担当にしよう。この章、本当、どうやって村人を助けたり盗賊を撃破したりすればいいのかわかんない……」
私が選んだ難易度は『易しい』はずなのに……。
女主人公のリラが死ななければ敗北しないから、その点は簡単だけどさ……。
自軍ユニットを全部移動、行動させて自軍ターン終了。友軍ターン開始。
友軍ユニットになってしまったロッソが移動を始めた。
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父さんに渡された短剣の柄を握りしめ、オレは走り出す。
「母さん!! 母さん、どこにいるんだ……っ!?」
オレは村人を抱えて走る盗賊を追いながら叫ぶ。
「ロッソ!! 追いかけてきたらダメよ……!!」
でっぷりと太った盗賊に担がれた女が叫んだ。母さんだ……!!
「ロッソ、ロッソ助けて……っ!!」
猫背の盗賊に抱えられた三つ編みの少女が泣き叫ぶ。ネリーも連れて去られている……!!
どうしよう。どっちから先に助ければいい!? 迷ってる時間は無いのに……っ!!
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「これ、お母さんが村の少女かどっちを助けるか選ぶやつ? 鬼畜……。お母さんのところにロッソを向かわせて、村の少女救出はアベルに任せる? あー!! 自軍の人手が足りないー!!」
友軍ターンが終了して、敵軍ターンが始まった。盗賊たちが移動を開始する。
この移動速度なら頑張れば盗賊に隣接できそうなんだけど、ロッソが弱いのがすごく気になる……。
敵軍のユニット全員が移動を終えた。総ターン数14ターン目の自軍ターンが始まる。村の入り口に馬車と司祭ローザ、見習い神官の少女ミリィが現れた!!
味方の増援!! 待ってたよー!!
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村が燃えている。村人が盗賊たちに連れ去られているようだ。
火の手は強く、こちらは人手が足りない。まずは盗賊に連れ去られそうになっている村人を助けることを優先しようと決めて私は『リカバーの杖』を握りしめて口を開く。
「まずは盗賊を撃破!! 連れ去られそうになっている村人の救出を優先して下さい!! カインとアベルは馬に乗って、盗賊を追いかけて!!」
私がそう叫ぶと、村からカインとアベルが現れた。木の幹につないでいたそれぞれの馬を解放し、その背に飛び乗る。
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「やったー!! カインとアベルが騎馬状態になった!! これで盗賊を追える!!」
私は張り切ってカインとアベルに盗賊を追わせた。次の自軍ターンで盗賊に隣接できそう。
カインとアベルの移動を終えると、神官ヤンのイベントが始まった。
■■■
「怪我人は馬車に隣接させて下さい!! 私が『ヒールの杖』で回復します……!!」
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「ヤン!! 偉いー!! しかも馬車が自軍ユニットになってるからプレイヤーが動かせる!!」
私は馬車を村の中に移動させた。村人は動かせないから、馬車を動かした方が早い。ミリィも移動させよう。ローザとリラで村人を回復させて、自軍ターン終了。
***
見習い神官リラの『ヒールの杖』1回使用 28/30
司祭ローザの『リカバーの杖』1回使用 5/8
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