第7話 総ターン数12ターン目、自軍ターン開始、友軍・敵軍ターン終了。

総ターン数12ターン目、自軍ターン開始。

あっ。燃えている家屋とか納屋から飛び火して、牛小屋とか鶏小屋が燃え始めた……!! 牛と鶏、逃げてー!!


「これどうやって延焼消すの? どうにもならない設定のイベントなの? あー。これ村を見捨てて盗賊倒す方が正解なのかなあ……?」


とりあえず【会話 ロッソ→リカルド】を見られるように頑張ろう。

うわー。ロッソの移動範囲ではギリギリで届かないー!! ロッソとリカルドが隣接できないー!! 仕方がない。ロッソとリカルドの会話は次ターンで。

リラはリカルドに隣接できたので『ヒールの杖』でリカルドを回復する。

アベルとカインは家屋や納屋を調べた。カインが倒れている村人を発見した。この村人も死にそうー!!


自軍ターン終了、友軍ターン開始。友軍ユニットの村人は待機状態で友軍ターン終了。村人二人とも『状態異常 火傷』の継続ダメージ5を受けてるー!! もう無理。この自軍ユニットだけで村人全員助けるのは無理……っ。


司祭ローザ、早く来てー!!

『リカバーの杖』で村人を回復させてー!!


私の心の叫びも空しく、敵軍ターン開始。

盗賊団の首領っぽいユニットが撤退ポイントに到達した。


■■■


燃える村を見渡し、俺は笑った。

タルーザの街で酔っ払って警邏の兵士をぶん殴り、牢屋にぶち込まれた時にはツイてねえと思ったが、悪徳商人チェルラに出会ってから運が上向いてきた。


チェルラは詐欺罪で訴えられて俺と同じ牢に入っていたが、牢番を買収して脱獄した。脱獄する時に、俺や他の囚人も連れ出してくれた。それだけじゃない。

キール山の山腹にある古い砦の存在を教え、武器を用意してくれた。

武器っていっても大半が錆びた斧だったけどな。


古い砦は俺たちの拠点になった。盗賊団『飢えた狼』の歴史が始まった。

俺の名前はダルソン。盗賊団『飢えた狼』の首領として、金も女も何もかもこの手に入れて、贅沢三昧な暮らしをしてやる。傭兵団『赤光』から追放されて腐っていた昔の自分と決別して、新たな人生をこの手で切り開くんだ……!!


■■■


「他人の家とか燃やして新しい人生切り開いたらダメでしょうよ。盗賊団の首領、ダサいなー」


でもそんなダサい盗賊キャラがいてこそのファンタジーSLGなのです。いつもプレイヤーと主人公たちに撃破されるために登場してくれてありがとう。

盗賊ユニットも次々に移動して、敵軍ターンは終了した。


***


見習い神官リラの『ヒールの杖』1回使用 29/30

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