第5話 2章A総ターン数4ターン目自軍ターン開始、休憩のち3章Aプレイ開始。
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【第二章A 一路、ガザ村へ】
【勝利条件 自軍ユニット全員が目標地点に到達】
【敗北条件 主人公の死亡】
【総ターン数 4】
【会話 リラ(アベル)→ルノアノ】
※ 騎馬ユニットは『救出』状態なので移動力が低下しています。
この章では『解放』不可。
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「『第二章A』っていうことは分岐があるってことだよね。さっきの選択肢が分岐トリガーになってるのかな。あと『ルノアノ』って誰……?」
とりあえずゲームを進めよう。
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聖騎士との戦いから逃げ出した盗賊は、背後から迫る蹄の音を聞いて身をすくませた。聖騎士が自分を追ってきたのかもしれない。
「死にたくねえ。絶対に……っ」
仲間を見捨てて一人だけ生き残った盗賊は、自分の生にしがみつく。そして、騎馬では動きにくい木の陰に身をひそめた。
「俺は絶対に生き延びてやる。こんなところで死んでたまるか……っ」
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「さっき逃げた盗賊がここで出てくるんだねー。もしかして『ルノアノ』ってこの盗賊?」
私は盗賊のステータスを確認する。この盗賊が『ルノアノ』だ。
悪人顔でカッコ悪いし、仲間になったとしてもあんまり使わなそう。
『ルノアノ』は無視して進んじゃおうかなー。
私はひたすら山道を移動して【勝利条件 自軍ユニット全員が目標地点に到達】を達成した。
総ターン数は10ターンになった。地味にマップが広かった……。
あれっ? マップ、さっきまで青空だったのに夕暮れの空になってる!!
時間が経過したってこと?
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「ここを抜けたらもうすぐオレの村に着きます」
カインに同乗しているロッソが言う。カインはロッソの言葉に肯き、馬の腹を蹴った。カインの馬がいなないて駆け出す。リラを乗せたアベルも馬の腹を蹴り、カインの後を追った。
蹄の音が遠ざかる。木の陰に身をひそめていた盗賊が姿を現した。
「あいつらがガザ村で戦ってる間に、拠点に戻って金目の物を持ち出して逃げよう。オレは、オレだけは絶対に生き残ってやる……っ」
盗賊はそう言って、山腹にある拠点を目指し、早足で歩き始めた。
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「少し疲れたからセーブしてゲームをやめよう。おやつを食べたらまたゲームしよう」
私は手動セーブをしてファンタジーSLG『正義の旗を掲げよ』をやめた。
おやつにおせんべいを食べました。カフェオレも飲みました。醤油味のおせんべいと甘いカフェオレ、結構会うよ。王道の緑茶もおいしいけど。
最新のセーブデータをロードして、ゲーム開始。
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村が、燃えている。木造の家屋や納屋から黒い煙が立ち上っている。
リラは思わず息を呑み、そして煙を吸い込んで咳き込む。
「リラちゃん、大丈夫? ハンカチを口に当てると楽になるよ」
リラの後ろで騎乗している聖騎士アベルがハンカチを差し出した。咳き込んで涙目のリラはありがたくハンカチを受け取り、口にあてる。
「野郎ども!! 金目の物も食料、女もガキも、目ぼしいもんは手に入れた!! 引き上げるぞ!!」
野太い男の声が響き、盗賊たちが呼応する声がする。
「あれが盗賊の頭だろうか……?」
聖騎士カインが先ほど盗賊たちに命令していた男に視線を向けて呟いた。
「火を、火を消さなくちゃ……!!」
カインに同乗していたロッソが転がり落ちるように下馬して村の中央にある井戸を目指して駆け出す。アベルも馬を下り、口元にハンカチを押し当てているリラを抱き下ろす。
そして、アベルはカインに視線を向けた。
「カイン、馬とリラちゃんを頼む。俺は怪我人を探してこの場に運ぶ。リラちゃんはここにいて。俺が怪我人を運んで来たら、手当てしてあげてほしい」
リラはアベルの言葉に肯いた。カインは自分とアベルの馬の轡を取り、手綱を村の入り口近くの木の幹に結び付けた。そして馬の首を優しく叩き、おとなしくしているようにと言い聞かせた後、リラの隣に立って『聖騎士の槍』を構えた。まだ村には盗賊がいる。戦えない神官見習いのリラを一人にするわけにはいかなかった。
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【第三章A ガザ村炎上】
【勝利条件 盗賊の全滅/盗賊全員の離脱】
【敗北条件 主人公の死亡】
【総ターン数 11】
【会話 ロッソ→リカルド ロッソ→マリサ ロッソ→ネリー ロッソ→ニール リラ→カイン】
【自軍ターン】
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「助けて!! お祖父ちゃん、おじさん、ロッソ……!!」
髭面の盗賊に引きずられるようにしている三つ編みの少女が叫んだ。
「うるさい、黙れ!! このガキ!!」
盗賊は少女の下腹を殴って黙らせ、小柄な彼女を肩に担いだ。少女の重みで盗賊の足取りが遅くなる。
中年女や幼い少年が盗賊に担がれて村の外に運び出されていく。食料や金品が入った麻袋も次々と運び出されていく。
盗賊たちは村の入り口とは逆方向に向かっている。村の入り口に留まればリラに危険は無さそうだ。
『井戸に隣接して調べると水を汲むことができます。家屋や納屋に隣接して調べると要救助者や死者を見つけることができます。水を所持した状態で燃える家屋や屋根に隣接すると火を消すことができます』
「夕暮れのうちに火を消し、怪我人を集めないと……。暗くなったら視界が効かなくなるぞ」
茜色の空を見上げて、カインが呟く。
一人でも多く怪我人を癒そう。咳がおさまったリラはハンカチをローブの内ポケットにしまい『ヒールの杖』を握りしめた。
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「自軍ユニットはロッソ、アベル、カイン、リラだね。どう動けばいいのかなあ? 初期位置、井戸の側にいるロッソが井戸から水を汲んで火を消して、アベルが家屋や納屋を調べる? リラとカインも村の中に移動して火を消したり村人を助けに行った方がいいかも」
とりあえず【リラ→カイン】の会話を見よう。
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