アングレカム・ドール
蘩蔞 小兎
日本人形の章
第1話 ぬいぐるみの世界
幼い子供たちが寝しずまった夜、子供たちのおもちゃ箱の中にゲートが開く。そのゲートを通るとおもちゃでできた世界にたどり着く。
その世界はぬいぐるみを中心に様々な玩具が過ごしている。喋ったり、壊れたところを直したり……。喋る? ぬいぐるみが?
そうです。喋るのです。なぜって? そこはぬいぐるみたちの世界だからです。
ぬいぐるみの世界は人間の世界と繋がってる。それは果たして本当なのだろうか。
保育園の頃お人形と一緒におばあちゃんから聞いた話。
当時の私には本当って信じてたけど。よくよく考えたら嘘だよね。きっと。だってぬいぐるみが動くわけないもの。私はおもちゃ箱を見つめる。
4歳の頃に人形と一緒に買ってもらったおもちゃ箱。もう、ほとんど入ってない。入ってるのは小学2年生に買ってもらった金髪の人形。4歳のはいつのまにかに消えていた。
おばあちゃんには手放すなって言われてだけどね。
もし本当だったら今頃ぬいぐるみの世界で何をしてるのかな……。寂しくて戻ってきたら怖いよね……。って1日の終わりに私は何考えてるんだ。
今日はこれぐらいにして寝よう。人形と一緒に。やっぱ、寝れないや。考えごとしてたら。やっぱり、飲みもの飲んでから寝よう。そう思い、飲みものを飲みにリビングに行った。
人形を持って。
急に記憶に出てきたおばあちゃんの話。
考えてしまう。怖いな。でも、人形と一緒だったら怖くない。飲みものを飲み、私は自分の部屋に行った。扉を開けるとそこには、4歳の時に買ってもらった黒髪の日本人形がいた。
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