甘々な彼女とイチャイチャするだけの話

桃月兎

第1話ハチミツ

「ハチミツ、ハチミツ、蜂の蜜だよハチミツは。

 ハチミツ、ハチミツ、蜂の蜜だねハチミツは。

 ハチミツ、ハチミツ、蜂の蜜かなハチミツは。

 ハチミツ、ハチミツ、蜂の蜜かもハチミツは。

 ハチミツ、ハチミツ、蜂の蜜だったりしてハチミツは。

 ハチミツ、ハチミツ、美味しい蜜だよハチミツは。

 ハチミツ、ハチミツ、甘い蜜だよハチミツは。

 ハチミツ、ハチミツ、蜂が集めたハチミツだよ。

 ハチミツ、ハチミツ、蜂の蜜かも知れないハチミツは。

 ハチミツ、ハチミツ、蜂の蜜の筈だよハチミツは。

 ハチミツ、ハチミツ、蜂の蜜だと思うハチミツは。

 ハチミツ、ハチミツ、蜂から貰ったハチミツ。

 ハチミツ、ハチミツ、蜂に感謝のハチミツ。

 ハチミツ、ハチミツ、蜂から横取りしたハチミツ。

 ハチミツ、ハチミツ、蜂が大好きなハチミツ。

 ハチミツ、ハチミツ、蜂も喜ぶハチミツ。

 ハチミツ、ハチミツ、砂糖じゃないよハチミツ。

 ハチミツ、ハチミツ、水飴じゃないよハチミツ。

 ハチミツ、ハチミツ、美味しく食べるよハチミツ」

 チャーちゃんが楽しそうに歌っています。

「凄いですね、何とも独創的で可愛らしい歌詞なのでしょうか。

 これはベートーベンもモーツアルトも裸足で逃げるレベルです。

 どなたが作詞した曲なのですか?」

 予想はついていますが一応尋ねてみました。

「じゃーん、なんと作詞作曲はボクでした。エッヘン」

 笑顔のチャーちゃんが両腰に手を当てて、胸を張るので、大きな胸が揺れました。

 眼福です。

「やはりそうでしたか。どうりで素晴らしい曲だと思いましたよ。

 こんなにも可愛くて性格も良く、デザイナーと言う優れた職業の上、作詞作曲の能力にまで秀でていらっしゃるとは。チャーちゃんはこの世最高傑作品であるとしか思えません」

 胸も大きいですし。

「フフフーン、嬉しいな。褒められると凄く嬉しくなるよ。今日はハチミツが凄く安かったからまとめて買って来たんだ。重たかったんだからちょっと疲れちゃった」

 チャーちゃんは、ソファに座っている俺の膝の上に腰掛けました。ご褒美ですね。

「それは大変でしたね、お疲れ様です、そしてありがとうございます。

 今後に似たような事がありましたら、俺に連絡をして下さい、スグに駆けつけますので」

「うん、ありがとう。所でハチミツを買いすぎちゃったから、何かハチミツを使った簡単で美味しい料理ってないかな?」

 チャーちゃんが後頭部をゆっくりと擦り付けてくるのにあわせて、チャーちゃんの頭頂部をゆっくりと撫でている。

 この時間はいつも安らぎますね。左腕はお腹を支えつつ、少しだけ胸に触れていますが。

「ハチミツを使った簡単で美味しい料理ですか……。料理と呼べるほどの代物ではありませんが、お手軽に作れる物ならばありますよ、今すぐにでも」

「ホント? じゃあスグに作ってほしいなー」

 甘えた声でおねだりされました。とても可愛らしい方です。元々チャーちゃんの頼みを断る選択肢は持ち合わせてはいないのですが。


 二人で台所兼食卓に移動しました。

 それでは材料を準備いたしましょうか。準備とは言いましても、牛乳とチューブ入りの生姜とハチミツを用意するだけですけどね。

「ハチミツ、ハチミツ、ハチミツはハチミツだよ。カーイ先生、今日はどんな料理で腕をふるうの?」

 赤いエプロンを装着なさったチャーちゃんはとても可愛い。同棲しているので毎日会っているのに、どんな姿も可愛いって思えるのは、やはりチャーちゃんがとてつもなく魅力的な存在だからなのでしょうね。普段は『カーイ君』と呼ばれるのですが、今だけは料理の先生になれって事ですね。それでは不肖ながら料理の先生を務めさせていただきます。

 青いエプロンを身に着けた。チャーちゃんのエプロンとはサイズと色違いの同種である。各自専用の物は、大体チャーちゃんが赤色を、俺が青色を買う事が多い。よって、チャーちゃんの歯ブラシは赤色、俺の歯ブラシは青色となっている。

「チャーちゃん、本日はホットミルクハニージンジャーを作ります」

 そう宣言してから材料を用意し始めた。

「カーイ先生、ジンジャーってなあに? 鳥居のある場所?」

「チャーちゃん、それは神社ですよ。ジンジャーは英語で生姜の事ですよ。恐らく教科書には載っていない単語だと思われますが。ですので料理名を直訳しますと熱い牛乳ハチミツ生姜になります」

 厳密に言えば、料理名は単純に英訳しただけですから。

「なるほどねー、それではカーイ先生、調理をお願いたしまーす」

 料理の材料と調理器具は揃っている。再度しっかりと手を洗った。

「分かりました。早速調理を始めます。今日は二人分を作っていきます。

 最初に牛乳を適量鍋に入れて加熱します。そこにハチミツを適量加えます。

 更には、皿にはではありませんよ。更にはチューブの生姜を適量加えます」

 口を動かしながら、話した内容を実行に移しています。

「カーイ先生、適量と言うのは具体的にはどのくらいなの?」

「好みの味付けになるようにして下さい」

「じゃあボクは甘いのが好きだから、ハチミツをもっと入れて欲しいなー」

「はい分かりました。ですが俺がチャーちゃんのお願いを聞くとハチミツ一本丸ごと投入する事は目に見えていますので、ご自身で入れて下さい」

 チャーちゃんは小さく頷いて、鍋にハチミツを加えました。

「ありがとうございます。この後はよくかき混ぜます」

 かき混ぜていると牛乳が沸騰したので、直後にガス台の火を消した。

 赤いマグカップと青いマグカップにホットミルクハニージンジャーを注いだ。

「はい、これでホットミルクハニージンジャーが完成です。ご協力ありがとうございました」

「調理ありがとうございました。ウーン、生姜のいい匂いが広がってるね」

「その通りですね、匂いも料理の内ですから。それでは熱々のうちに頂きましょう。熱いのでフーフーしてから少しずつ飲んでください」

 エプロンを外してから、チャーちゃんは言葉に従ってくれた。

 俺もエプロンを外した。

「ホントだ、凄く美味しいね。これならいつでもどこでもいくらでも飲めるね」

「それは良かったです」

 飲み物を飲む姿も可愛らしい。


 ホットミルクハニージンジャ―を飲み終えると、チャーちゃんはハチミツを舐めていましたが、ハチミツの付いた指先をこちらに向けて来ました。その意図はスグに理解出来ましたので、ハチミツを舐めつつ、指も舐めていきます。

「フフーン、なんかいやらしくていいよね」

 確かにいやらしい感じはしますね。チャーちゃんの指は何度も舐めた事はありますが、ハチミツ付きで舐めるのは始めてです。

「なんだか熱くなってきちゃった」

「そうですね、生姜には体を温める効果がありますから」

「服脱いじゃおう」

 チャーちゃんが服を脱ぎ始めました。

「カーイ君も脱ぎなよ」

それはつまり、そういう事ですか。そうですね、そう致しましょう。








 


 


 




 

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