ゴミ屋敷で孤独死した老婆の家の古道具を巡る謎、という題材がユニーク。個々の古道具に纏わる謎を解き明かすことでお話が進行していくので、ミステリー色が強く、主人公に協力するアンティークショップ店主の、豊富な知識による謎解きは説得力あり面白かったです。また、終盤明かされる真相にはしっかりと驚きと恐怖も用意されています。主人公の心情描写に長けており物語に入り込みやすく、ベタベタしすぎないキャラクターたちの距離感も好印象でした。(特別審査員・鉈手璃彩子)