【休載中】大学の男子寮に住んでいた俺、何故か大学で4女神と呼ばれる美少女たちが住んでいる女子寮に引っ越すことになった件 女子寮の住人の問題を解決していくうちにいつの間にか惚れられていた!?
栗坊
1章 4女神との出会いと親睦編
俺が女子寮に引っ越すって? …冗談だよな?
普通に生きる…というのは簡単なようでいて中々難しい。普通に進学して、普通に恋愛して、普通に就職して、普通に結婚して、普通に子供が出来て、普通に出世して…と、
正直な話、そういう人は普通じゃなくて実は物凄く優秀な人なんじゃないかと思えてならない。現代日本においていったいどれくらいの人がこの普通の人生というのを歩めているのだろうか?
今大学生の俺も普通に進学して…という所までは何とかできているのだが、就職はこれからどうにかするにしても恋愛や結婚…もっというと彼女など一生できない気がしてならなかった。
友人などは「普通にしてりゃ彼女なんてできるだろ」と口を揃えて言うのだが、俺はその普通というのがさっぱり分からなかった。俺も彼女とイチャイチャしている友人を見て彼女が欲しいと思ったし、友人にも協力して貰って色々試したがやはりだめだった。
寝転びながらラブコメ漫画でも読んで「俺にもいきなり空から女の子が降ってきたりしないかなー」と夢をみたりしたが当然そのようなことは無く…。残酷にも時はどんどん進み、俺も大学2回生になってしまった。
そして大学2回生になって2カ月が過ぎ、日本では晴れやかな春が終わってじめじめと蒸し暑い梅雨の季節がやってきた。まぁ「今年も特に彼女が出来るようなイベントなんて無いんだろうなー」と思いながら淡々と過ごしていた俺に神のイタズラか転機が舞い降りることになる。
○○〇
「は? 今なんつった?」
俺の名前は
reinとは日本で大流行りしているスマホのメッセージアプリの事で、登録した人物と気軽にメッセージを取り合える便利なアプリだ。先ほどのようにグループを設定してそのグループ内の人全員が見れるようにメッセージを送ることも可能である。
俺達寮生は自分の部屋を出ると「何事だろう?」と互いに顔を見合わせつつ、ギシギシとしなる古い階段を降り1階の食堂へと向かう。食堂の日焼けした古臭いテーブルの各々の席に座るとすでにそこに待機していた寮長から話を聞くことにした。
寮長が俺らを集める時…それはめんどくさい事を俺らに押し付ける時であることは1年という短くて長い期間の経験からなんとなく理解していた。はてさて今回はどんな面倒事をいいつけられるのやら…と思っていたのだが、寮長は俺が予想していたよりもファンキーでハチャメチャな事を言いだしたのだ。
「お前耳の中にウンコでもつまってんじゃねーのか? もう1度だけ言うぜ。女子寮の女の子を男に慣れさせるために誰か1人にしばらく女子寮に住んで欲しいんだとよ。女子寮の
「あのババア気でも狂ったのか?」
「お前なぁ…それ本人の前で絶対言うなよ。ブチキレるぞ」
「そうとしか思えん。女子寮に男を住まわすとか…。薬物でもやってんじゃねーのかあのアラサー? それとも婚活のし過ぎで精神がぶっ壊れたのか?」
「兼続、ちょっと言いすぎだと思われ…」
俺が今抗議しているこの色黒で筋肉ムキムキのおっさんはこの色彩大学男子寮の寮長である
そして俺が寮長の訳の分からん要請に悪態をついているのを止めているこのふくよかなメガネの男は
「まぁまぁ先輩落ち着いて。とりあえず事情を聞いてみましょうよ」
「俺も何でそんな結論になったか気になるな」
そう言うのはおっとりとして中性的な顔をしている1回生の
「そうだな。とりあえず事情を聞いてみるか」
俺は2人の言う事も最もだと思い、今にも壊れそうなボロい食堂の椅子に座り直すと寮長から詳しい話を聞くことにした。
「実はな、女子寮で定期的に行われてる女子会があるんだが…。甲陽寮長の調査で女子寮の寮生には男っ気が皆無ということが発覚したらしい。女子寮の寮生はみんな今まで誰とも付き合ったことがない上にこれと言って親しい異性もいないということだ」
「何やってんだあの人…。女子寮の寮生が女子会をするのは分かる。でも何でアラサーの寮長まで参加してんだよ…」
「甲陽寮長はその話を聞いてこれではダメだと思ったようだ。このままでは自分と同じく将来婚活で苦労するかもしれないと考えたようだ」
「そこは凄く切実なんですね…」
「そこで甲陽寮長は寮生の将来のために考えに考えてひらめいた。『そうだ! 誰か男性を1人女子寮に住まわせて異性に慣れさせよう』と。そこで女子寮と比較的付き合いのある男子寮の誰かにしばらく住んでも貰いたいという事だ。知らない仲よりは知った仲の方が慣れやすいだろうと」
「いやいやいや、それはおかしいだろ! 考えがぶっ飛びすぎだ。男に慣れさせるなんてもっと他に色々あるだろ。普通に男紹介したりとか、合コン企画したりとかさぁ」
「ふむ、確かに
先輩の言う通り男子寮と女子寮はたまに交流がある。
主に男子寮の生徒が女子寮の荷物運びなどの雑用を手伝ったりするだけだが、前期・後期課程修了のお疲れ様会や忘年会などのパーティを共同で行うこともあるので寮生同士はお互いに顔見知りだったりするのだ。
だがしかし、だからと言って大学の他の男よりは異性に慣れやすいだろう…という話にはならないと思うのだが…。
「すいません、ちょっと疑問なんですけど…。女子寮に住んでいる4人って大学でも有名な4女神ですよね? そんな人たちに男っ気がないってのが僕には少し信じらないんですけど。それにこの前女神の1人である高坂先輩が告白されているの見ましたよ。断ってたようですけど」
定満が不思議そうな顔をしてそう述べる。
そう、ウチの女子寮に住んでいるのはそろいもそろって大学でも有名な美少女たちなのだ。誰が言い始めたのかは知らないがそれぞれ「美の女神」「知の女神」「慈愛の女神」「愛玩の女神」と呼ばれている。4人いるのでまとめて4女神だ。
そう言えばそうだなと俺も定満の意見に同意する。
美少女で有名な女子寮の4女神ならほっといても男の方から寄ってくるのではないか? なので別に男に慣れさせる必要性など無いように思える。
「まぁ向こうも色々事情があるんだろう。モテるが故に男性不審になってるかもしれん」
うーん、モテる奴にはモテるが故の苦労というのがあるのかねぇ。まったくもってモテとは無縁の俺には良く分からない感情である。
「それで今日は誰が女子寮に行くか決めようと思う」
「待て待て待て、なんで話を進めようとしているんだよ!? まず前提がおかしいだろ。男に慣れさせたいなら他の方法がいくらでもあるだろ。だいいち女子寮の寮生の反応はどうなんだよ。いきなり男と一緒に住むなんて絶対向こうも嫌がってるでしょ?」
「それがな、どうも向こうの寮生たちも納得済みのことらしい」
「えぇ…」
「おほぉ。エ〇ゲ的展開キタコレ。テンプレだと女子寮へ行った男子生徒と向こうの女の子とのラブコメが始まる流れですな」
俺の横に座っている朝信が何やら妄想して興奮している。こいつは重度のオタクなのだ。彼の部屋は足の踏み場が無いほどにアニメのグッズや漫画、エ〇ゲの箱が散乱している。その様はまるで地震が起きた後のオタショップのようである。少しは掃除しろ。
「それで誰が向こうに行くかだが…俺は兼続が適任だと思う」
「はぁ!?」
「それはいいですね。僕も兼続先輩を推薦します」「そうだな。俺も兼続がいいと思う」「デュフ、我も兼続を推薦しますな。羨ましいですぞ兼続」
「なんで俺なんだよ!? 女子相手ならそれこそイケメンの高広先輩や中性的な顔で人気のある定満に行ってもらった方が良いだろ? 朝信はともかくとして」
「何気に酷くないですかな!?」
「だって兼続以外全員彼女いるだろ?」
「えっ?」
寮長がそう言うと3人はおもむろにスマホを取り出し彼女の写真を俺の方に見せてくる。
「俺、大学卒業したら彼女と結婚する予定なんだよね。だから俺が女子寮に行くのはちょっと不味いワケ。俺は彼女一筋で浮気するつもりはないけどさ、向こうがどう思うかは別の話だし。結婚を前提に付き合ってる彼が女子寮に住むなんて絶対いい顔しないでしょ」
と言うのはイケメンの高広先輩。
「申し訳ないんですけど…僕の彼女もちょっと嫉妬深くて…。女子寮に住むと何を言われるか分かったもんじゃないんで遠慮しときます。彼女の嫌がることしたくないし」
と申し訳なさそうに「たはは…」と笑う定満後輩。
「デュフフ、我もお嫁ちゃんが沢山いるから無理ですな。っていうか3次元女は無理ですな。我は2次元しか愛せないで
と大量のアニメキャラの画像を見せてくる朝信。
「そういう事だ。消去法で兼続しか残ってない。流石に彼女がいる奴に女と共同生活させるのはな…」
寮長が唖然としている俺の肩をポンと叩く。ちょっと待て、1人おかしいのがいたぞ!
「はあぁぁぁぁぁ!?」
こうして何の因果か運命のイタズラか? これまであまり女の子との接点の無かった俺にいきなり4人の美少女と一緒に住むという転機が訪れたのだった。
○○〇
どうも、作者の栗坊です。初めましての方は初めまして。お見知りおきの方はお久しぶりです。
新作のラブコメ作品始めました。ギャグ×ちょいエロ×ラブコメという感じで作っていきたいと思います。
最初はどうしても説明が多くなるのでギャグは少なめになりますがそのうち多くなります。
しばらく仮連載して人気がある様なら本格的に連載しようと思っています。
人気が無いようなら打ち切りで。
更新はGW期間中は朝の8時と夜の20時の2回更新します
それ以降は1日1話更新でお届けします
なので面白い、続きが読みたいと思った方は☆やハートでの評価お願いします。
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