夜が消えた日~漫才風会話劇~

維 黎

深~い話

「「はい、どうもぉぉ。ライトリードですぅ。よろしくお願いしまぁぁすぅぅぅ」」


「KAC2023、終わってしまいましたねぇ、リードさん」

「終わってもたなぁ」

「僕ら呼ばれませんでしたねぇ」

「呼ばれんかったなぁ」

「――維 黎あいつ、しばき倒します?」

「やめとけ。あの作者、メンタルが金魚すくいの”ぽい”紙くらいやわいから、もう小説ネタ書かへんとか言い出しかねん」

「あぁ、そこまで追い詰めたら僕らの出番もなくなりますね」

「そうや。今回、ワイらKACには出られへんかったけど、こうして別の企画ぶたいに出れとるしな」


「今回の企画ぶたいは『夜が消えた日』でしたっけ?」

「そや」

「この企画、テーマがすごい深いと思うんですわ。僕」

「そうか? まぁいろいろ解釈は広げられると思うけども」

「僕はね。これは自然破壊に対する警告――もっと言えば地球滅亡を企画担当者が示唆してるんやと思ったんです」

「ん? ものすご~く、薄ぅ~くわかるようで実はまったく意味分からんぞ?」

「つまりですね。夜が物理的に消えることなんてありませんやん?」

「まぁ……そうかな。”白夜”ってのは現象やから消えたんとは違うかもしれんか」


「これは比喩的表現なんですわ。夜っていうのは暗闇ですやん?その暗闇が消えるっていうのは灯りが煌々と照らされてるわけですねん」

「んー。そんなもん……かな? いまいちピンと来ぉへんけど」

「灯りを点けるためには電気が必要で、その電気を作る為には火力発電とか水力発電、あとは原子力発電とか」

「まぁ、そうやな」

「こういったものは自然を破壊して作ってるんです。つまり夜が消える=夜を照らすために自然破壊をする=地球滅亡ってことですねん」

「……絶対違うやろけど、仮にそうやったとしたらワイ、この企画の作家さんをあなどってたわ」

「絶対そうですって。たぶん『すご~い! ライトさんの言う通りですぅ(*´艸`)』ってコメントくれますよ」

「そうかぁ? ワイは違うと思うねんけどな」


「だから僕たちはその想いを受け取って日々、自然を大切に環境保全に努めないとあかんってことなんですわ」

「――後半部分、言ってることは正しいけど、なんか納得いかん。もやもやが気持ち悪い」

「じゃぁ、すっきりさせたりますわ」

「ほう?」

「夜は消したらあかん。困りますねん」

「おお! オチはすっきりしたわ! ――ってもうえぇ、やめさせてもらうわ」


「「どうもぉぉ! ありがとうございましたぁぁぁ」」












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