【1話完結】ケンカの後の甘い意地悪

空豆 空(そらまめくう)

ケンカの後の甘い意地悪



「ねぇ、ちゅーして」


 ちょっと拗ねた声の彼女に、唐突にそんなおねだりをされた。


「なんで」


 でも、なんか気分が乗らない。

 だって、ケンカした後だから。

 キスして誤魔化そうってのか。


「んー。だって、いいじゃん。お願い、一回でいいから」


 彼女は困ったような拗ねたような、甘えた声で言う。

 まぁ……別に、俺だってケンカしたいわけでもないんだけど。

 このままキスしてうやむやにするのはなんか癪だ。ちょっといじめてやろ。それでチャラだ!


「やだ」

 

 俺の返事に、案の定彼女は。


「じゃあ、いいもん。がまんする」


 ちょっと泣きそうな顔になりながらそっぽを向いた。素直じゃないなあ。


「おい、誰がキスするのが嫌って言ったんだよ。

一回だけとか言うからだろ? 俺は一回だけとかいやだ。ほら、こっちむいて」


 俺は彼女の顎をクイッとあげると、その唇に自分のそれを重ねた。


「んっ……!」


 彼女は甘い声を漏らしてなんとも言えない色っぽい顔をすると、俺の服を掴んで大人しくキスされている。


 こーゆー時は、素直なんだから。

 俺は角度を変えて何回も重ねる。


 俺にされるがまま甘い声を漏らす彼女が可愛い。


「もうっ、やだって言ったくせに、いっぱいしてくるとか……ずるい」


 彼女は上目遣いで拗ねた顔を見せた後、俺の胸に顔を埋めて抱きついてきた。そして小さな声で


「……さっきは、ごめんなさい。やっぱり……一回とか、やだ。もっと……して」


 やっと素直になったか。


「ん。じゃあ、力抜いて大人しくキスされてて」


 あーあ。俺のスイッチ入っちゃった。

 ケンカの後って、なんでこう……したくなっちゃうのかなあ。


「賢斗…….だいすき」


 俺の名前を呼びながらそう言う彼女が妙に愛おしくて。


「ん、俺も。さっきはごめんな」


 彼女の身体を優しく抱きしめると、俺はそのまま優しくベッドに押し倒した。



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