いつもくっつきたい真冬ちゃん

二髪ハル

「抱きしめたいから来て吾郎」

「お兄ちゃん!

 私っ……私お兄ちゃんのことが世界で愛してる! 愛して、いるの血が繋がってなくでもお兄ちゃんのことが世界で一番、愛してるの!」


「――っ! 百合っ俺もだ……世界で一番、愛している」


 そしてエンディングが流れていた。

「……おぉ」

 感動していたのは音羽おとは 真冬まふゆ。簡潔にいえば幼馴染だ。

 なにもすることがないと言ってこっちに来ては前回気になっていたアニメを視聴していたが真冬の反応てきに良かったらしい。

「吾郎……良かったね。百合ちゃんが告白して」

「あぁ……」

 吾郎というのは俺、小島こじま 吾郎ごろう

 けど、真冬に構ってられないほどに問題が起きていた。

「……っ」

 もう、我慢の限界だ……。ずっと我慢していたが真冬に構っていたからアニメどころじゃなく俺の限界がついに来てしまったらしい……。

「なぁ、真冬。俺、そろそろ限界なんだけど」

「えーもう?」

 真冬がこっちを見上げながら不満そうな顔をしていた。

「頼む。今日はこの辺にしてくれないか?」

「むぅ……しょうがないな。膝枕は満足したからいいよ」

 真冬が体をどかした。

「あぁ……」

 真冬が俺の膝のところに頭を乗せていて膝枕をしてきたが2時間ぐらいでギブアップを宣言した。

 真冬が小さい頃から俺にくっついてきてるからしょうがないなといえばしょうがないんだが……。

 それでも一番気にしなくてはいけないのはお互いが異性だということだ。真冬は物凄く胸が大きく毎回くっついてきては柔らかい物が当たる……。男として興奮してしまう。

 ……流石に高校生になったし注意だけはするか。

「なぁ真冬」

「なに?」

「くっつくのとかは無しにしないか? 俺たち高校生だし――」

「いやだ! 吾郎にくっついていたい!」

 拒絶されてしまった。

「だって吾郎にくっついていたいし。触っていたいし手とか頭を撫でてくれるし沢山甘やかしてくれるし。吾郎のことが好きだからくっついていたい!」

「――っ!」

 ……毎回のごとく好きだと言われてしまい嬉しい気持ちになってしまう。

 チョロいなー俺っ。

 真冬がベットの方に移動してきてポンポンと叩いていた。

「抱きしめたいから来て吾郎」

「――っ」

 俺が多分チョロさが加速している原因なのかもしれない……。

 俺は真冬の方に近づき顔を真冬の胸の方に押し当てた。

「……はぁ」

 息が出てしまうほどに柔らかい……。

 小さい頃から抱きしめてもらっているがこうやって心音を聞いているだけで安心してくる。

 だからいつも俺は真冬に甘えてしまう。

「……真冬。嫌じゃないか? 俺が真冬の胸にしがみついているの」

「いつも言うけど別に嫌じゃないよ。吾郎が私の胸好きなんだー思うぐらい。……吾郎は私の胸とか好きなの?」

 本音を言うと真冬に対して恋をしているのは確か……。

「真冬のこと好き、めちゃくちゃ抱きつきたい」

「――おぉっ!」

 そして真冬が俺の頭を抱きしめるように抱えてきた。

「えへへ。……それじゃあ満足するまで好きにしていいよ」

 そしてめちゃくちゃ撫でられた。

「……好き」

「えへへ……」

 これが俺と真冬のいつもの日常だ。

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