第7話




 さて、ミアとの信頼関係がある程度築けたんではないかと思うのでダンジョン作っていこぅ!


「んじゃ、ミア。早速ダンジョンコア融合させてくれ。早くダンジョンを作りたい」


「わかりました。融合自体はすぐ終わりますが、何か違和感があれば言ってください」


「おう」


 そうして俺は今も浮かびながら淡く光るダンジョンコアを持って自分の胸に当てた。


ピカッ!


 すると、一瞬強い光を出してそのまま胸の中に沈んでいった。


「へー、ダンジョンに関して操作できるようになってるな」


 コアと融合した俺はダンジョンの操作方法を理解し、他になかなか変わったところはないかと自分の体を調べた。

 さっき、ミアに魔力を確認してもらった時に魔力の感覚は覚えて少しは操作できるから似た感じで他にないかを探すだけで良い。


 んー?ああ、これがダンジョンを作る際に使う魔力かな?俺自身の魔力とは別でもう一つある感じだ。それにやろうと思えば今からでも俺の魔力を変換することもできそうだな。


「セイヤ様?何か変なところはありませんか」


「ああ、問題ない。ダンジョンの操作方法と特殊な魔力も獲得できたし上手く行った」


 自分の体を確認した俺は心配してくれたミアにそう言った。


「それでセイヤ様、これからダンジョンを作るにあたってどのようなダンジョンを目指すのですか?」


 そうミアに聞かれた。

 ダンジョンの構造、これ自体はダンジョンマスターになると決めた時から決まっている。ダンジョンは侵入者を撃退し防衛するところ。ならば、ただモンスターをばら撒くのではなく軍のように指揮をして防衛して仕舞えば良い。


「俺が俺から目指すダンジョンの形は防衛に重きを置いた軍事国家だ」


「軍事国家、ですか?」


「ああ、俺の認識ではダンジョンとは基本的に専守防衛。他のダンジョンと争う事があれば攻めもするだろうが基本的にはずっと守りだ。だったらそれこそ人間の軍隊のように指揮をして防衛した方がより強固だろう?だって基本的に人間と比べてモンスターの方が能力面では高いのだから」


 俺はミアにそう説明した。


「なるほど、確かにその通りですね。普通であれば魔力の心配があるでしょうが、セイヤ様はそこら辺を心配する必要がありませんし。記憶を共有させていただいた感じ、様々な戦術を知っているようなので適しているでしょう」


 納得してくれたようで何より。

 それとミアに聞いておきたい事が一つ。


「ところでミア、この世界ってゲームのレベルみたいなのやスキルってあるのか?」


 そう、それ次第によって色々方向性が変わると言うもの。


「はい、ございます。ですが、ゲームほど明確ではなく、レベルに関しては鍛え戦えば能力が上がると言ったものです。まあ、中には山を砕いたり空に浮かぶ雲を吹き飛ばせるような英雄豪傑もいますがそれは時代に数人ですから気にしないでください。それとスキルでしたね、こちらは...そうですね魔力を使って斬撃を飛ばしたりなどはできるものも多いですし、剣術の流派の技などもスキルと言えるのであると言えます」


 なるほど。


「ちなみに、レベルに関しては地球の銃火器に耐えられるものはどの程度いる?」


 と言う、俺の疑問に対し。


「かなりいます。オーソドックスなピストルやアサルトライフルの弾などはある程度レベルを上げたものにはかすり傷にしかならないでしょうし、さほど強くない一般の兵士なども魔力による肉体の強化ぐらいはしますから聞かないとみた方がいいです。ただ、大砲は海上戦で船を沈めたり都市に設置して防衛設備にしたりなど、活用しているようです」


 うーん、それなら銃火器は無しだな銃弾より早く動く奴いるだろうし。大砲が使われてる理由も銃より威力が高いのと船や攻城兵器などの構造物に対する強さゆえだろうな。

 この感じだと大砲の弾も火薬じゃなくて魔法で飛ばしてそうだし。


 そこまで考えた俺は方針を決めた。


「よし、それじゃあ今後の方針は刀剣などの戦いを主軸に考えていこう」


 まあ、魔法がどの程度かによってはそこに近代の戦略や独自性のあるモノを追加することになるだろうけど。


「そうですか。では、ダンジョンの階層とそこに呼び出すモンスターはどうしますか?」


「んー、モンスターは基本的に俺の記憶にあるものと同じと見て良いんだな?階層に関してもよほど辺でなければ草原も森も海も自由に設定できると」


「はい、その通りです」


「だったら上の方の階層はオーソドックスなダンジョンにしよう。洞窟型でゴブリン、コボルトオーク、オーガ、トロールなどの亜人型を中心に狼や蝙蝠なども混ぜて宝箱と罠を適度に置けばそれで良いだろう。リザードマンやワイバーンなどの強目なモンスターも少し混ぜるか」


 俺はそう言った。

 理由としては簡単で、最初から本気で相手をするわけがない。上の階層で様子を見て対応を決めるのが賢い選択と言える。あと、ダンジョンとして運営するんだから普通の部分も作らないと誰も入らなくなりそうとも思ってる。


「それで良いのですか?」


「ああ、その下の階層に都市を築いてモンスター達を軍隊として使えるように教育すれば良いからな」


「では、どのようなモンスターを使いますか?」


 ミアにそう言われた俺は思考の海に沈んだ。

 そうだなぁ、まずゴブリンなんかを始めとした亜人型は論外。ミアはモンスターが大体俺の記憶の通りと言っていたから一体一体が弱すぎるし頭も悪い。それを考えれば必然だ。それにダンジョンコアと融合したことによって細かくはわからないが大体はわかるのでその知識を見た上での判断だ。あと外見。

 じゃあ、アンデット?いやいや、弱点丸出しは無い。そうなると、リザードマンとかゴーレム系になるんだがリザードマンが本領を発揮できるのは水辺や沼地だし、ゴーレムは基本的に大きく動きが鈍い。あと、武器が使えない。

 俺の希望としては人型で鎧や武器を装備できて、ある程度知能が高く軍隊として動かしやすいモンスターが良い。

 そうして考えていると、一種類のモンスターに辿り着いた。


【リビングアーマー】


 このモンスターはラノベではゴーレム系またはアンデット系として出てくるが、この世界だと分類は付喪神や妖精のようなものらしくアンデットの様に浄化されないし、ゴーレムとも少し違う特殊なモンスターらしい。

 だが、このモンスターなら俺の希望を満たしている。鎧が動くモンスターだから大きさは二メートル程度がせいぜい、巨人用の鎧であればもっと大きいだろうがそこは召喚の際に選べば良い。それに武器も扱えるし軍隊として運用できる程度には知能も高い。

 これ以上のモンスターはあるまい。


「よし、決めたぞ。このダンジョンの主力モンスターはリビングアーマーだ」


 考えが決まり、思考の海から戻った俺は目の前で直立不動のまま待っていたミアにそう言った。








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この作品書いてるとめっちゃ筆が踊って楽しい(´ω`)

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