第6話
「はぁぁぁぁぁぁ!!!???」
ほわっ!?
「ど、どうした!?」
俺はいきなり絶叫したミアに驚いた。
だってそうだろ?魔力の確認って言われて手を握られたままジッとされて、なんかむず痒い気分になっているところにこの絶叫だこんな気持ちにもなるだろう。
でもなんでだ?俺にも魔力はあるって言ってたから無いと言うわけでは無いんだろうけど異常があったとか?
俺がそんなふうに戸惑っていると、感情を落ち着かせたのか冷静な表情になったミアが口を開いた。
「いきなり叫ぶなどとはしたない事をしてしまい申し訳ありませんセイヤ様」
「あ、ああ、落ち着いたなら良いんだ。それで?なんでいきなり絶叫を上げたんだ?俺の魔力を確認していただけだろ?何か問題でも出たか?」
戸惑っていた気持ちを一旦脇に押しやり、ミアにそう聞いた。
「はい、確かに私はセイヤ様の魔力を確認していました。それで、その...」
「ミア、もう少し落ち着いてからでも良いんだぞ?絶叫するほど驚いたことがあったのなら心を落ち着ける時間が必要だろうしな」
何故か不安そうな口ぶりで言うミアに大丈夫か心配になった俺はそう言った。
「いえ、大丈夫です。ご心配ありがとうございます」
「いや、大丈夫なら良い。それで?何がわかったんだ?」
「はい、私がセイヤ様の魔力を確認したところとてつもない量な魔力を持っていることが確認できました」
ほお?それは良いこと、なのか?でもそれだけであそこまで驚くのか?
「へえ、とてつもない量っていうのはどういういみだ?どのくらいの魔力を俺は持っているんだ?」
「文字通りとてつもない量です。分かりずらいかもしれませんが、例えるなら龍脈が人の形をしているという表現が一番しっくりきます」
それはまた凄いな。龍脈ってあれだろ?大陸に走る魔力の血管だか河だか言う。そんなに魔力があるんだったらよほど相性が悪くなければ問題なく変換できるな。
「なるほど。でも良いことなんだろ?相性が多少悪くてもかなりの量変換できるだろうし、使ったら回復しないと言うわけでもないんだろ?」
特に問題を感じなかった俺は首を傾げながらミアにそう返した。
「ええ、まあ、大いに越したことはありませんし、魔力は使っても時間経過で回復するので問題はありません。ですが問題は相性なんです」
「と言うと、相性が悪すぎてそれだけの魔力量で変換しても大した量にならないってことか?」
相性の方が問題だったか。などと思いながら聞くと。
「いえ、私が絶叫したのはそもそも問題があったからではなくあまりに都合が良すぎたからです」
と、ミアが返してきた。
だが、都合が良すぎる?どういうことだ?リンが何かしらやったのか?
「その都合が良すぎるってのは何なんだ?」
「早い話、変換効率に関して相性が良すぎるんです。これだけ相性が良ければ多少ロスは出るでしょうが龍脈の魔力を使ってダンジョンを好き放題弄れるようなものです」
ミアが呆れたように言った。
そして、その事を書いた俺もまた呆れていた。
いやいや、都合良すぎだろ!絶対リンが干渉したろこれ!
そう思いミアに聞くと。
「いえ、確かに相性に関してリン様も多少は変えられるでしょうがあくまで多少ですし、セイヤ様の魔力量は鍛えていませんのでそのまま生まれつきのものです。つまり、セイヤ様は生まれつきその龍脈の如き魔力とそれなりに相性の良い魔力の質をしていたと言う事です」
そう言われてしまった。
うそやろ...と、俺は少しの間呆然としていたが、同時にこうも思った。それってむしろ良いことでは?と。
だってそうだろ?これだけの魔力量を使いこなせるようになったら魔法や魔力を使う事柄に関してかなり強いし、もし出来なくても変換できるだけでダンジョンを自由自在に変えられるってことだからな。
だったら、この魔力を使って自分の思い描いた通りのダンジョンを作り防衛してやる!
俺はそこまで考えると目の前で立ったまま俺のことを待ってくれたミアが目に入った。
「なあ、ミア」
「はい、なんでしょうセイヤ様」
「俺、この魔力を使って好きなダンジョンを思いっきり作る事にするわ。だからこれからよろしくなミア」
俺はそう言って右手を出した。
「私はリン様からの命で貴方様をお支えします。ですが、それとは別に貴方様はダンジョンマスターにこれ以上ない程適した魔力を持っていますし、私も貴方がこれからどんなダンジョンを作るのか興味がどんどん湧いてきました」
そこで一旦言葉を区切ったミアは俺の手を握り。
「ですので、これからはリン様の命とは別に私個人としても貴方様を支えようと思います。よろしくお願いしますねセイヤ様」
そう言って微笑んだ。
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