1月3日 ぜんざい

 一日中降り続く雨。数時間おきに豪雨になり、風が吹き荒れる。年末年始、浮かれ気分でなんとかなっていた私の体調も下り坂になってきた。

 昨日は色んな意味で、貴重な晴れ間だったようである。


 今日はぜんざいを作った。

 茹で小豆は安心の『井村屋』。小豆・砂糖・塩、全ての使用原料を北海道産に限定したものである。これを水で伸ばし、鍋で煮立てて、焼いた餅と合わせる。楽でありがたい。

 仁多米の餅は相変わらず米の味が濃く、歯ごたえが尋常ではない。ぷっくりとよく膨らむがダレることなく、歯切れも良いのが面白い。『井村屋』の粒餡も風味豊かで、餅の味わいに負けることなく、小皿に盛った塩昆布を合間に摘めば、その甘さが一層引き立つ。

 今日はこれに、買い物のオマケでもらった金箔入りの緑茶を合わせた。味は至って普通だが、正月らしさを演出すると共に、この一年お金に困らないでいられると良い、などと思いながら飲んだ。


 ところで、ぜんざいの発祥が出雲だということはご存知だろうか。

 旧暦十月、神在月に行われる神事「神在祭かみありさい」にて皆に振る舞われる餅を「神在餅じんざいもち」と言う。この「じんざい」が、出雲弁で訛る内に「ぜんざい」となり、京都に伝わったのだそうである。

 これは江戸初期の文献、「祇園物語」などにも書かれている確かな話らしく、『出雲ぜんざい学会』なるものもあり、出雲の名物として町をあげてアピールしていたりもする。

 「出雲ぜんざい」の特徴は、粒をしっかり残した小豆の汁に、紅白の小ぶりな餅もしくは団子を浮かべる、というもの。目新しい味わいがあるわけではないが、出雲大社の参拝後に茶屋で食べるのがちょうど良い一品である。私も最初に参拝した帰りには、神門通りで出雲ぜんざいをいただいたのだった。素朴ながら美味しかった記憶がある。


 夕飯は新年初のミールキットを使ったり、大晦日の炊き込みご飯を冷凍していたのを温めて食べたりした。我ながら、あれは冷凍後も美味しかった。

 我が家の正月休みは明日までなのだが、さてどうしようか。

 

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