十月
10月1日 ミルクティームースのかき氷、焼肉
今日は「眼鏡の日」である。
これは「1001」と書くと、両端の“1”が眼鏡のツル、内側の“0”がレンズに見立てられ、メガネの形を表しているところから、日本眼鏡関連団体協議会が制定した記念日である。
山陰に私の好きなタイプの眼鏡屋が全く無い為にあまり日記に記してはこなかったが、私は重度の眼鏡フェチである。眼鏡をかけた人間は勿論だが、眼鏡そのものもまた深く愛している。故に、眼鏡にまつわる短い話をいくつか書いているので、ご興味があれば是非一度のぞいてみていただきたい。(「眼鏡のおはなし」コレクション:https://kakuyomu.jp/users/chat_gris/collections/16816452219449913054)
そして今日くらいは皆様も眼鏡という存在について改めて考えていただき、お手持ちの眼鏡があれば手入れをするなどの機会にしていただければと思う。
風はすっかり秋の色。
少し涼しくなってきた頃から、私は自分の眼鏡を秋冬向けのものに切り替えつつあった。
これまで使っていたのは、ウェリントン型のグレーのクリアフレームに、艶消しシルバーの細身チタンテンプルを合わせたコンビフレームである。勿論、年中使えるデザインなのだが、クリアフレームの透け感やグレーの色合いは涼やかな印象で、春夏の服装に合わせやすい。
一方、今からメインで使うのは、ゴールドの極細身チタンフレームをベースに、ラウンドに近いオーバル型のレンズ周りにはブラウン系のデミ柄(鼈甲柄)のアセテートを巻き付けた「セル巻き」という技術を使って作られた一本。ブリッジや耳元にはゴールドがアクセサリーのようにちらりと光り、ブラウンデミはやはり秋冬の装いに映える。
眼鏡とは医療器具であり、顔を彩るものである。できれば服や靴などと同様に、TPOや季節に合わせた眼鏡を使い分けてみると、眼鏡の魅力がいっそう高まるのではないかと思う。
さて、そんな秋めく眼鏡と共に、おそらく今年最後のかき氷を食べた。
以前(https://kakuyomu.jp/works/16817330654745085719/episodes/16817330662980026678)にも書いた、紅茶専門店のかき氷である。それが今日までと聞いて、いてもたってもいられず食べに行った。予定通りならば、我々が山陰にいるのは今年度まで。次の夏にはもう食べられない。そしてこのかき氷を、夫はまだ食べたことがない。
日曜の昼下がり、小さな可愛らしい店は盛況だった。残念ながら先日食べた夏苺も、昨年食べて感動した桃も、今季は終了したとのことだった。二人で最もスタンダードな「ミルクティームースのかき氷」を注文することにした。
やはり美味しい。甘さ控えめで芳しい紅茶シロップのかかった柔らかな氷に、ふわふわのミルクティームース。口の中で儚く溶け合うその美味しさといったら。スタンダードな分、紅茶の香りを存分に味わうことができる。これは、ここにしか無い味。食べに来て良かった。夫も気に入ったようである。
かき氷が終わってしまっても、温かい紅茶と菓子をいただきにまた来ようと思う。
その後は少し買い物をし、ぐるりと行く宛も無く車を走らせたりなどした。そこそこに人が住み買い物ができる町から、打ち捨てられた土地や家が道沿いに見える限界集落まで、車で二十分もかからない。正に隣り合わせである。そうしてきっと、終わっていくのだ。
夕飯には、私が結構な貧血状態ということもあって、焼肉に行った。
値段が手頃で、その割には味の良い店を見つけたので、血肉になるものをたっぷりと食べた。カルビやロースも良いが、ハラミとツラミが特に気に入っている。ツラミは頬肉のことで、薄切りを焼くとしっかりとした歯ごたえがあるが適度に脂もあり、噛むほどに旨味を感じる。それをポン酢にさっと付けて食べるのだ。
これで貧血が多少マシになることを祈る。
今日で夫の夏休みも終わり、いよいよ十月である。過ごしやすい秋が少しでも長く続いてほしい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます