5月6日 五島の鯛で出汁をとったなんにでもあうカレー
昨夜はチャウ・シンチー監督『人魚姫』を観た。
怒涛のハイテンション映画だった。画面内で常に何かが起き、人物の情緒も乱高下。チープなCGがコント感をいっそう高める。やりたいことに振り切りながらも、そのための取捨選択がちゃんと考えられていると思う。でもBGMの受け取り方は最後までわからなかった。
面白い映画だった。好きか、と言われるとそこまでではないのだが。
チャウ・シンチー監督作品は、これまで『少林サッカー』しか観たことがなかった。これも面白くはあるのだが、「きちゃない!」と思う場面があまりに多過ぎて、私の許容量を超えていたのだった。以来、特に観ようと思ってこなかったのである。私は血みどろグロテスクよりも不潔な汚物の方が苦手なのだと思う。
その点、『人魚姫』にもそういう場面はそこそこあるが、許容範囲に収まっていたので最後まで楽しく観れた。この映画を教えてくれたフォロワーに感謝である。
個人的には、“タコ兄”と呼ばれるタコの人魚がお気に入りである。目的のために奮闘し、そのために不憫な目にも合い、最高のリアクションを見せてくれ、たまらなく愛おしい。鑑賞中はずっとタコちゃんを応援していたといっても過言ではない。大変良いキャラクターだった。
明けて本日。
山陰はどんよりと曇り、先ほどから激しい雨音が聞こえてきたところ。
体調は最悪に近い。私を取り巻くあらゆるものが、私の体をぎゅうと押さえつけてくるし、避けられぬ出血で血が足りなくなるし、内臓がねじ切られるように痛い。
ゴールデンウィークの前半にいろいろと外出しておいて良かったと思うが、あとの二日は横になっているしかないのかもしれない。残念である。
私が寝床でウンウン唸ったり、パタリと寝てしまったりを繰り返している間に、夫がミスタードーナツを買ってきてくれた。くれたは良いが、なかなか手が伸びない。夕方近くになって、ようやく少し食べたが、あんまり味わうこともできない。「ミスドの味だなぁ」としか思えない。折角、辻利のコラボ商品もあるのに。悲しい。やはり美味しいものを美味しく食べるには、体が万全でなくてはならない。
温かいミロを飲もうと思って、マグカップに牛乳を注いで、レンジに入れようと思った。ただそれだけだったのに、扉を開ける力だとか、手元の距離感だとか、自分のぼんやり加減だとか、全てを見誤った結果、周辺に牛乳を撒き散らしてしまった。踏んだり蹴ったり。泣きっ面に蜂。誰もお前を愛さない。おわあ。
こんな夜に何を食べようか、悩んだ結果カレーにした。
元々カレーは好物だけれど、調子の悪いときこそ、スパイスや野菜が溶け込み、何も考えずスプーン一つで掻き込めるカレーが良かったりするのだ。「カレーなら食べられる」、そういう時がある。
いただきものの、『五島の鯛で出汁をとったなんにでもあうカレー』がまだ残っていたのも理由の一つである。その名の通り、長崎県五島でとれた鯛の出汁を中心に、牛骨と昆布も合わせた特製スープを使い、旨味たっぷり。スパイス感がしっかりとあり、深みのある味わいながらも、辛さは控えめでとても優しい風味である。なんにでも合うので、牛乳を加えてスープにしたり、カレーソースとしてグラタンやドリアにしても良いが、やはりカレーライスが一番である。具なしのプレーン、チーズ、ビーフなどもあるが、最後に残っていたのはポーク。コロコロとした一口サイズの豚肉は柔らかく、その脂は適度にカレーに溶けてコクを増す。
少なめのごはんで、一食ちゃんと食べられた。こういう時のために自分で買い足そうかと思うほどに、実に優しいカレーである。
さて、今日は寝汗もたくさんかいてしまったので、早めに風呂に入ろう。明日はもう少しマシな体調だと良いのだが。
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