7/17(月)「泥水」

「へぇ、最近水揚げされた男娼の中では売れっ子だって言うじゃないか」

「えへへ、僕にはわかりませんが、皆様阿呆阿呆と可愛がってくださいます」

笑顔の裏に憎悪を。伸ばした手に殺意を隠して。泥水を啜っても血反吐を吐いても悟られるな

一番の男娼だった兄を壊した相手に復讐するまでは。


笑え。


【あとがき】

拙者、取り繕った表情の裏には相反する想いを秘めている者が好きで候う。

『復讐相手を知らぬ間に愛してしまう者も好きでござる。』とコメントしてくださった方への返信としておまけを書いてみました!

 

【おまけ】

『君の中には確かな知性がある。いい、なにも言うな。なにも…すべて君の瞳が語っているから』

地獄の底で咲く蓮の様に清廉な人だった

復讐に濁る醜い心の中で唯一覚えた淡い感情

恋かもわからない。ただ彼に抱かれている間だけは醜い感情を忘れられた。なのに…

「なんで兄さんの簪を持っているんだ」

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