6/29(木)「小舟」

笹でできた小舟が、小さな波紋を生じさせて川をゆっくりと進む。

「笹舟は、良いな。自由で」

「若…」

「わかっている。あの島が幽閉の地だろう」

「若…今ならまだ間に合います。身代わりを立てれば…」

「延、流刑地への渡しがお前でよかった」

「若」


小舟はゆっくりと川の向こうへ消えていった


【あとがき】

 そのあと流刑地でハッピーみたいな文章を捩じ込もうかとおもいましたが、ちょっと思い止まってセンチメンタルな感じに……。


舟で流刑地への橋渡しになった延くんは、滅茶苦茶若のことお慕いしてますよ……

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