6/19(月)「無音」

図書館で、彼はよく私の後ろに座った。本を読む、その気配で彼に気づくこともあった。

私が本を読み終わって席を立つと彼の手が差し出される。それが、とても嬉しい。

口下手なので。

そう彼はぽつりと言ったが、その無音が優しくて。

話すための音を失っている私には、彼との日々は優しい静寂だった。

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