4/22(土)【三つの単語お題】『毒』『視線』『感覚』

目を合わせてはならない一族がいる。美しい顏、目元を覆う蘇芳色の布。視線に毒を乗せることができる一族。一度目を合わせればその毒に身も心も侵されて溶けていくのだという。

「恐ろしいでしょう?」

どうにも不思議な感覚だが、彼の目が見たくて仕方がない

目隠しに手が伸びる

「魅入られましたか」


 【魅入らせる側サイド】

 我らは目を合わせてはならない一族と呼ばれている。視線に毒を孕み、ただ相手の顔を覗き込むだけで身も心もどろどろに溶けさせてしまう。

触れてはいけないとわかっていても燃え盛る炎に飛び込んでしまう蛾の様に、我らの蜜は耐えがたいほどに甘やかだ。


今日もまた、蘇芳の先を覗き混む男が一人。

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