まーくんの専従者控除

 最近税務署が厳しくなりました。

 じぃっと書類の束を確認する税務職員。

専従者せんじゅうしゃ控除こうじょ? 記録はありますか?」

 ドキッとする自営業従業員のお母さん。

「え? ないですけど」

「ちゃんと記録してください」


 作業着のお母さんは仕事中、ニートの息子を呼びました。

「まーくん、お茶淹れて。専従者控除」

「うーい」

 頭ボサボサのニートは、ノロノロとコーヒーを入れました。


 半ケツをポリポリかきながらお茶を入れる息子。つぶさに観察するお母さん。

『お茶っ葉少ないわよ』

『うーい』

『薄くなるからあと半匙いれて』

『うーい』

 

 タブレットのその映像。作業着のお母さんの前で税務職員はまじめに視聴、記録します。

「○月●日9時12分36秒に専従者控除。内容、緑茶。息子、無職。半ケツ。かかった時間は……」

 ニートはおののきました。

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