【短編連投】カフェで本を読むふりする、午後のコーヒーが美味いひと時

マネーコイコイ

第1話 ビジネスおっさんは死にました。

 こんにちは、魔法好きの皆さん。今日は、マナの豊富な地域や時期に合わせて商品やサービスを提供する魔法ビジネスについて紹介したいと思います。


 マナとは、私たちが魔法を使うために必要なエネルギーのことですが、その量や質は場所や時間によって変わります。それを利用して、マナに関連した商品やサービスを提供する魔法ビジネスがあります。


 私も最近、そのようなビジネスを利用してみましたので、その感想もお伝えします。まず、私が利用したのは、マナクラフトというサービスです。これは、お客様の要望に応じて、マナでオリジナルの作品を作ってくれるサービスです。私は、自分へのご褒美として、マナで作った花束を注文しました。注文するときには、好きな色や形や香りなどを伝えることができます。私はピンクと白のバラとチューリップが好きなので、そうお願いしました。数日後に届いた花束は、想像以上に美しかったです。ピンクと白の花びらが優しく重なり合っていて、まるで絵画のようでした。そして何よりも驚いたのは、花束から微かにマナが感じられることでした。それはまるで生命力が溢れ出しているかのようでした。もちろん、この花束は一時的なものであり、マナが減ると消えてしまいます。しかし、それだけに特別感や価値があります。私はこの花束を飾って毎日眺めていますが、その美しさに心が癒されます。


「結婚してください!」


「嫌です! しおれた花をプレゼントする人となんて私は結婚したくありません!」


 私は女性に花束をプレゼントして、告白しようとしましたが、思わぬ展開になりました。やっぱり、花を家で飾ってて、しおれてしまったけど、もとは高価なマナの花なので、捨てるのはもったいないと思って、好きな女性にあげようと思ったんですが、何がいけなかったのでしょうか。私にはわかりません。まあ、そんなことはどうでもいいですね。今は仕事に集中しましょう。


 さて、次はどのようなサービスを利用しましょうか?


「うーん」


 私は悩んでいた。魔法の本を読んでいるのだが、なかなか自分のものにできないのだ。


「どうすればいいんだろ?」


 その時だった。


『魔法の使い方を教えて欲しいですか?』


 どこからか声が聞こえた気がした。でも気のせいだろうと思い、返事をする。


「はい。教えていただけるならありがたいのですが……」


すると、また声が聞こえる。


『では、私の言う通りに呪文を唱えてください』


 今度ははっきりと聞こえたので、私は言われた通りに従うことにした。


「はい。よろしくお願いします」


 そして、私は呪文を唱えた。


「えっと……アブラカタブラ・テレポート!」……何も起こらない。


『まだ唱え方が間違っていますよ』


「え」


「アバダ・ケダブラです。さあ、杖をもってもう一度、鏡をみながら」


「アバダ・ケダブラ!」


 そして、私は死にました。


 なんだって!


 かくして、おっさんである私は魔法学園の生徒として、生まれ変わることになりました。


 若いっていいな!ハッスル! ハッスル!

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