第9話「力の片鱗」
「うー…はっ!あれ?ここ何処だ??」
俺は当たりを見渡した。
「ああそっか、俺はお風呂場で蒼祈の裸を見て倒れたのか/////」
俺はあの凶器を見てしまい倒れてしまったのだッ!
思い出すだけでも少し興奮してしまい鼻血が出そうだ。
ま、そんな事よりもさっきから少し重いな…布団の中を見てみるか。
「なるほど、これは夢か…よし寝よう!それじゃおやすみ!!」
なんと!裸姿の蒼祈が俺の上に乗っていたのだ!
こんな刺激的なことから現実逃避をするために夢だと思いこみ俺は窓の外を見る。
「もう深夜か、かなり時間気絶してたんだな、蒼祈は多分看病してくれてたのか…? いやでもうーん…
まあありがたいなうん」
俺は蒼祈に感謝しながら頭をゆっくり撫でた、蒼祈は心做しか顔が赤く照れていたように感じた。
「さて、俺の凶器も暴れぬうちに二度寝しますかな、既に絶望てきダケドネ!!!」
みんなこんな美少女が起きた時にこんな姿だったら仕方がないよね?そうだよね?と誰に向かって謝罪するでもないが俺はそう思いながら眠りについた。
〜翌朝〜
「ねぇねぇ」
「んぅ…何ぃ?」
「龍!おはよう!」
「おはよう蒼祈、それであの…頼むから服をさ…着ようよ…」
朝から可愛らしい声で起こされたがなんとまだ蒼祈は裸でいるしかも俺にこんどは馬乗りの状態で裸だったのだ!、朝から息子が暴れてしまう!それだけは避けたい…
だけどこんな可愛らしい美少女を見て暴れないのは男としてマジで死んでいる!!
「えーなんで〜夫婦ならその…営みだってやるのに龍が気絶しちゃったから出来なかったんだよ…?今からやらない…?」
蒼祈は顔を赤くしながら俺の胸ら辺を触りながら少し甘える声で言ってくる。
「まだ責任取れる歳じゃねぇからな、俺が立派になったら嫌という程してやるから待っとけ」
俺は少し照れながら言った。だけどやっぱり誘惑には勝てなかったので欲望とちょっとしたイタズラを込めて蒼祈の顎をクイッって上げてほんの少しのキスをした。
内心クソほど俺ってキモイなと自虐も忘れずに。
「はふぅ…分かりましたぁ…」
「ありがとうね」
俺は蒼祈の頭を撫でた。
正直嬉しそうでよかった…引かれてるかと思って正直ひやひやしていた。
「わ、私は龍が起きたから朝ご飯作ってくるね!」
蒼祈はにやにやしながら走っていき、一瞬のうちに服を着て下の台所に直行して行った。
「うちの嫁可愛すぎない…? なんか元から夫婦だったかのような安心感があるなぁこの前初めて会ったはずだから無いと思うんだけど…うーん謎だな!」
俺は気にしないようにして服を着替えて蒼祈が待つ下に行くのだった。
「あ、もう少しで出来るからそこのソファーでのんびりしててね」
「ああ分かった、俺に何か手伝える事があったら言ってくれよ手伝うから」
「うーん、今の所ないからゆっくりしててね!」
なんだろう…本当に夫婦なんだなぁ…こんな会話をしていると本当に夫婦何だとしみじみ思う。
「はい、出来たよーこれ龍の分ね」
蒼祈はそう言って机に料理を並べてくれていた。
「ああ、ありがとう」
朝食に出されたのはお味噌汁にアジの干物に漬物に白ご飯ちゃんと朝飯をしていた…
「「いただきます」」
パチンっと部屋に音を響かせながら手を合わせ言った。
「蒼祈って美人だけじゃなくて料理もめちゃくちゃ上手なんだな…」
俺はかなり驚いていた、この味噌汁の美味さに。
嫁の料理ってだけでも美味さ倍増なのにめちゃくちゃうまいと来たもんだ最高だぜ…
お決まりのパターンは料理がクソほど下手で俺の胃が死ぬって思ってたんだがな嬉しい誤算だ。
「もぅそんな事言っても何も出ないよ/////」
蒼祈はそう言いながら俺の肩を叩いてきた。かなり強い…
可愛いのだが残念なことに俺らは机で隣同士だから蒼祈の顔がちゃんと見えないのがちょっと悲しいがそれでもまあ可愛いからよし!
「あ、今日そういえば俺の実力を測るんだよね?」
「うん、そうだよ、朝食が終わって直ぐに怪我をしても大丈夫な場所を私が作るからそこで本気で殺り合うんだよ」
「こんな美人を殴らないといけないのか…気が引けるな…それも自分の嫁だし」
「大丈夫だと思うよ、龍の攻撃が私に当たるとは思ってないから…」
蒼祈は少し自慢げに狂気的な胸を前につっぱりながらそう言う。
「その余裕をぶち壊すために頑張るかぁ」
やっぱり少しくらいかっこいいってことを見せたいしね。
「ご馳走様でした」
「お粗末さまでした」
そんなこんなで朝食を食べ終わり。
すぐ蒼祈は2人分の食器を洗ってくれている。
俺は手伝おうとしたが私がやるから覚悟を決めててね!って言われたから覚悟を決めている。
「さて、洗い物終わったから早速修行の場所に行こか!」
「分かったよ、えっとその修行の場所ってここから近いの?」
「うーん近いっていうか…家の庭だね!」
「ええ…そんな場所なんだ…」
「ふふん、龍は昨日見てないから分からないけど私達が住むこの家の庭結構でかいよ!」
「なるほど…なら大丈夫だね」
「じゃあレッツゴー」
蒼祈はそう言って俺の手を掴み庭に走り出すのだった。
「ほへぇ確かにでかいな、なんでこんなにでかいんだ…?」
本当にかなりでかいのだ、それがめちゃくちゃ不思議である。この庭(?)と言われる場所で野球ができるんじゃないかってくらい広い。
「凄いでしょ、めちゃくちゃ高かったから買ったかいがあったよ」
「えっとちなみにこの家お値段は…」
俺は恐る恐る聞いてみた。
「うーんと、〇億くらいかなぁ」
ひえぇうちの嫁すげぇ…
「旦那様との愛の巣だからね、これぐらい当然なのだ! あと地下もあるよーすごいでしょ」
蒼祈は私えらいでしょって言う風に言ってきた。
「そこまでしてくれたのか、ありがとう」
俺はそう言いながらそのとても可愛らしい嫁の頭を撫でた。
「頭撫でられるの好き〜、まあこんな事してたら時間が無くなっちゃうからこの魔法具に触ってね〜」
「この魔法具って何?」
「聞いて驚けこの魔法具はなんと! 触れるだけで特定のエリアから出ない限り怪我が治り続けるのだ!」
蒼祈は胸を張りながら言った。
「すげぇぇぇ、えっとそれはつまり普通は死ぬほどの怪我でも…?」
「うん、そうだよその指定した場所では首とか胴体を切断しない限りは治るよ」
なるほど…つまり人間である首や胴体を分けてしまえばその超速再生は出来なくて、腕や足などを切り飛ばされても大丈夫ってことね…
「それじゃあこれに触れてね〜私はもう触れてるから、場所はちゃんとこの庭に指定したよ!」
俺は魔道具に触れた、パッと見変化はないようだが…
「大丈夫成功してるよ、試しにそこにあるナイフで自分の手を切ってみたら?」
蒼祈に言われ近くを見ると沢山の武器が転がっていた。その中から俺はナイフをとると思いっきり腕を切り裂いた。
「なるほど…確かに治るみたいだな、でも痛みはちゃんとあると…厄介だなぁ」
俺は痛みを感じながらもすぐさま回復した腕を触りがらそう思った。
「うんうん、効果を実感してくれてよかったよ」
「それじゃあ好きな武器とってね、私はこのナイフを使うから」
「じゃあ俺はこの刀を使おうかな」
「何でそれにしたの?」
「うーん…刀は使った事ないはずなのに手にしっくりくるからかな」
「なるほどね、それじゃあまあ始めますか」
蒼祈は気楽に言いながら俺にすぐさま攻撃をしてきた。
その攻撃を俺は避けることが出来ず片腕を吹っ飛ばされてしまった。
「そのナイフどんな切れ味してんだよ…そして蒼祈の身体能力バケモンじゃねぇか」
ナイフの切れ味だけじゃない蒼祈の身体能力があってこそ腕が吹っ飛んだのだと俺は思う。
どんなに切れ味がよかろうと片腕を綺麗に飛ばすことなんて並大抵の運動神経ではできない。
「ふふ、早く私に実力見せないと心が死んじゃうよ〜?」
蒼祈は煽った表情でそう言ってくる、この時既に俺の腕は回復していた。
「嫁に殺されるなら本望だ、まあでも嫁より弱いのは夫として不甲斐ないから頑張るさ」
俺は相槌を打ちながら刀を手に当て、体が抜刀の構えを取るまるで自分の体が覚えてるかのような。
「ふぅ…行くよ蒼祈!」
「なっ!?」
俺は刀を素早く抜き、蒼祈の片腕を斬り伏せようと狙ったが、蒼祈は驚いていたのにも関わらず俺の一太刀を難なく弾き飛ばしてきた。
「あれ、何で俺こんな抜刀を知ってるんだ…?」
俺はただ蒼祈に一太刀を防がれたこととは他の意味で驚いていた。
だって俺はこの時は刀何て生まれて初めて触って、初めて人と模擬戦をしたのにも関わらずまるで長年刀を扱ってきたような感覚なのだ。
「はは、流石だよ私の旦那様」
「そういうところがとても好きなんだけどね」
俺が驚いていると蒼祈はとても誇らしいと言わんばかりに笑顔でいる。残念ながら最後の言葉は聞き取れなかったが。
「あら、ちょっと面白そうじゃないの」
俺が少しながらも困惑していると屋根の方から見知らぬ声が。
「ん? 何処から声が?」
「ふぁ…ちょっと反応遅いわね、ほらこっちよ?」
「ん?」
俺が何処からともなくした声の主の方向を向いた瞬間に俺の左ほっぺを指でむにっと押された。
「とっても眠いけど、面白そうだったから来たのに…期待外れは私は嫌いよ?」
そこにはジャージ姿に片手に少し大きい枕を持った小さな少女が眠そうにたたずんでいた。
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