第6話 合宿所のトイレ
先週、テニス部の合宿で島に行ったときの話なんだけど。
廃校になった小学校を綺麗に改築して、宿泊施設になったところに泊ったの。
夕方まで練習をして、ご飯食べた後は色々なレクリエーションをしたよ。
顧問の先生がそういうの好きな人だから。
最初の夜は肝試しして、二日目は運動場で花火して、最終日はバーベキュー。
すごく楽しかったなあ……。
だけど、少し変だなってことが二日目の夜にあって。
寝る場所は学年別になっていて、広い畳部屋に布団を広げて、みんなで寝ていたんだけど、ふと目が覚めて時計を見たら夜中の1時半くらいだったかな……トイレに行きたくなったから、みんなを起こさないように、そっと部屋を抜け出してトイレに行ったんだ。
一人で部屋の外に出るのはちょっと勇気いったけど、廊下は足元の照明がついていたし、トイレの電気は自動でついてすぐ明るくなったし、意外に怖くはなかった。
それで……個室から出ようとしたときに、音がしたの。
キィって扉が動いたみたいな音がして、それからカチャカチャって鍵が閉まる音が。
私みたいに夜中に起きて、誰かがトイレの個室に入ったのかなって思った。
だけど、個室から出たときにおかしいなってことに気付いたの。
だって、どの個室も扉が開いていたから。
鍵が閉まるような音がして、数秒しか経ってないんだよ?
さすがに変だよね。
あと、私が聞いたのは扉が閉まる音だけだったの。
入ってくる時のスリッパの音とか、トイレ用のスリッパに履き替える音とか、全くしなかっただけど……。
一体、なんだったんだろうね。
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