君が好きだから、犯罪者になれる

かいとも

君が好きだから、犯罪者になれる

 カーン!カーン!カーン!


 <鐘の音が町中に鳴り響いた>


 鐘の音…やっぱり今日か…人間の最後の日か…魔族の最後の日か…


「カイン…戦わないといけないんだね…」


「当たり前だ…キュウシンが戦いたくなかったら、戦わなくていいんだぞ?」


「僕は神獣だ!カインが戦うなら戦う!」


 <キュウシン

 ホヒ国の神獣>


「ドラシンはどうする?」


「俺は騎士獣だ!カインが戦うなら戦う!」


<ドラシン

ホヒ国の騎士獣>


「カイン?準備出来てるか?」


「アシン様、準備は出来ております!」


<ホヒ·アシン

ホヒ国の王>


「アミン1人で来ているみたいだ。

国民に被害を出していなくて、カインをだせ!と言っている」


「了解です。

相手に戦う意志がなければ、殺さなくていいんですよね?」


「そうだね。

神様達は殺さないで欲しいって言ってるよ」


「了解です。

国民の方々はよろしくお願いします」


「勿論だ!

アラン王子とミナン王女から、戻ってきてね!だって、モテモテだな」


「辞めてください…俺は可哀想な1人の王女を殺すんです。

殺人犯の事を好きなってはいけないんです」


「そうだな…すまなかった…」


「いえ、俺がやると決めた事ですから」


「キュウシンとドラシンは、皆を守っていてくれ」


「そんな!一緒に戦う!」

「そんな!一緒に戦う!」


「他の魔人達が居るかもしれないんだ、戦う事になったら、心配で集中できない」


「分かった」

「分かった」


 ミラ…君がどちらを選ぶか分からない…

 だが、もし戦う事になったら殺す。


 <カインは、走りはしなかった。

 1歩また1歩と歩き進んだ。

 何を思って、歩いているか分からない。

 だが、その顔の表情を見ると。

 怒り。

 悲しみ。

 が伝わって来るような表情をしていた>


「遅かったな。

カイン」


 <ヤシ·ミラ

 ヤシ国の王女>


「ミラ。

どっちを選ぶか決めたのか?」


「決めたのも何も!私は…復讐するだけだ!

お父様を…殺した人間を許さない!

無実な人間だとしてもだ!

ホヒ国には、全王家がいる!

同族の王家の洗脳を無くす!」


「ミラ…君が洗脳、いや…君の弱くなった心を利用されたんだね…」


「私は…利用されてない!殺しあうぞ!」


 <殺しあい。

 それはすぐに終わった。

 戦闘の経験の差があった>


「殺せ!私を!速く!」


「それは出来ない…

君は利用されただけなんだ…

殺せるわけがないよ…」


「殺れ!」


 <その言葉が聞こえた瞬間…

 ミラの体に魔法が貫いた。

 ミラが倒れた瞬間…

 周りから笑い声が聞こえた>


「ミラ…ミラ!」


「あー…死んじゃうんだね…」


「喋るな!回復するから待ってろ!」


「意味…無いよ…カインは…悪が無い…聖の心…

私みたいな…悪しか無い心は…回復が出来ない…」


「嘘だ…嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ!」


「嘘じゃない…

殺されなら…カインの手で殺されたかった…

でも…カインの手の中で死ねるなら…全然嬉しい…

おこがましいけど…カイン…大好きだよ…」


 <ミラはそういい。

 大好きな人の手の中で亡くなった>


 おこがましいって…俺も…ミラの事が好きだよ。

 俺に…悪の心があったら…ミラの事を救えたかもしれないのに…


 <周りから。

 ミラが死んだ!これで宰相様が王だ!

 という声が聞こえた>


「ホヒ様!あなた様は言いました!

これは神の約束だ。

1つだけ何でも叶えたい事を叶えよう。

と言いましたよね!

なら…ミラが死んで笑った人間、魔人の場所を教えてくれ!

俺はそいつらを殺す!これは神の約束だ!ホヒ様!」


 (カイン…本当なのか?)


 (本当以外何があるんですか?)


 (分かった…)


 <カインは、ミラが亡くなって、笑った奴らの場所が分かった>


 場所が分かった…始めようか。


 <カインは、笑った奴らを殺し始めた。

 その怒りは、体から魔力が出ている。

 その魔力は災害等をおこした>


「いや…辞めてくれ!殺さないでくれ!」


 <ヤシ国の宰相>


「殺さないでくれ!だって?笑わせるな!

ミラのお父さんを殺し、病んだミラの心を利用した!

そんな奴は殺すだろ?」


「カイン、犯罪者になるんだぞ!?殺すのは辞めよう!」


「何を言っている?俺はもう何十人も殺してるじゃないか。

犯罪者?ミラが好きだから、犯罪者になれる。

俺は殺し続けるよ。

ミラが亡くなって笑った奴らおな」


 <この事は絵本でもだされた。

 カインが殺した奴らは全員、死刑囚にしようとしていた者達だ。

 神様と魔神様の話し合いで、ミラはカインの子供として、生まれ変わるのであった>

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君が好きだから、犯罪者になれる かいとも @kaitomo

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