血が繋がっていたと思ったら妹とは血が繋がっていませんでした。それが判明してから幼馴染の様子が?

アキノリ@pokkey11.1

第一章 1ミリも血の繋がりが掠ってない

変わりゆく景色

第1話 血が繋がって.....ない、だと

兄妹?うーん。似てないと思う、と言われた。

誰にかと言えば.....俺の高校生になってからの友人に、だ。

長谷川光希(はせがわみつき)という名のそばかすのある男友達の少年だが.....俺は、まあそうだな、と軽く返事していた。

まあその。

似てないのは昔から言われていたので傷付かない。


俺の名前は志布。

元就志布(もとなりしぶ)という名だ。

高校1年生で16歳。

入学した手のほやほやの野郎である。

まあその.....俺はイケメンではない。


そんな俺の妹の名前は中学3年生で元就夢(もとなりゆめ)15歳。

まあ確かに似てないといえば嘗てから周りに言われなくても全然顔が似てないとは思っていた。

生まれた時から一緒だとは聞いたが。


だけどそれでも似てなさすぎる。

何故なら猛烈な美少女だったから、だ。

栗毛色の長髪に.....向日葵の髪留め。

そして笑顔が素敵なマジな美少女。


俺ですら好きになりそうなのに。

なので妹として認識出来ないのだ。


そんな俺だが6月のある日。

両親から妹におつかいで市役所に行く様に言われて無断でお金を払って家系図というものを持って帰ってきた。

何か気になるし見てみようよ、と言われて、だ。

俺は、まあ良いが、と言いながら家系図を確認する。


それはあまりに衝撃だった。

何故なら俺は.....妹と血が繋がってなかった。

1ミリも掠ってなかったのだ。


俺は衝撃を受けて顔を上げると。

そこには唖然としている夢が居た。

夢は俺に声を掛けられてハッとした様に俺を見る。


「お、お兄ちゃんと血が繋がってない.....」


「.....親が黙っていたのか.....」


俺達は見合いながら俺の部屋で確認していた事を再認識してから。

そのまま俺は顔が近い妹から.....じゃなかった。

義妹から離れる。

それからボッと赤面した。

ヤバい.....心臓が、と思える。


「.....お兄ちゃん」


「.....な、何だ」


「お兄ちゃんと血が繋がってないけど.....お兄ちゃんは私を妹としてこれからも見てくれる?」


「逆にお前はそれで良いのか?これが判明してから.....あり得なくね?」


「私は全然構わない。おかしいって思っていた。.....だって漂う感じのフェロモンが違うんだもん」


私達の放つ匂いが兄妹じゃない感じだったから、と言いながら、兄弟の嫌な香りじゃない、とほんのり頬を朱に染める夢。

俺はその姿を見ながら家系図を本棚になおす。

それから、とにかくこの事は親には内緒にしよう、と話した。

すると義妹は、分かった、と答える。

そして俺を見てくる。


「お兄ちゃん。ゴメンね。まさかこんな事になるなんて」


「.....本当に血が繋がってないとは思わなかったからな」


「.....こんな漫画みたいな事ってあり得るんだね」


「そうだな。愕然だわ」


それから俺は汗をかきながら夢を自室に見送る。

何で親父達はこれを黙っていた。

思いながら俺は汗をダラダラかく。


困った、どうしたら良い。

これから先、見知らぬ女子と接触する気分じゃないとマズイ。

心臓が保たない。


「.....」


思っているとスマホの電話が鳴った。

俺は!?と思いながら飛び上がって電話に出る。

も、もしもし!、と言いながら。


すると、あ。もしもし、と声がした。

それは俺達の幼馴染の鳴だ。

遠野鳴(とおのめい)である。


『どうしたの?そんな動揺した様な』


「.....い、いや。何でもない。.....お前こそどうした」


『あ。えっとね。今度.....またサイクリングに出掛けないかなって』


「ああ。弁当持ってな。良いかもしれないが.....」


『そうそう。.....だから先に言っておこうかなって。楽しみだから』


楽しそうに話す鳴。

そこで俺はハッとした。

今までは自慢の妹として接してきたが.....。

義妹と一緒にサイクリング?

一緒に弁当?


青ざめる。

また意識が変わってしまうのだが。

俺はゴクリと喉を鳴らしながら、なあ。鳴。今度にしないか、と言い出すが。

鳴は、何で?、と言ってくる。

そうなるよな。


「い、いや。体調が.....悪くてな」


『え?じゃあ今からお見舞いに行こうかな.....』


「.....い、いや!体力が無いんだ!すまない!」


『えー。その割には元気そうだけどなー』


これはいかん墓穴だ。

思いながら俺は大慌てで、分かった!行く!、と納得した。

すると、えー、と言いながらも。

まあ元気なら良いけど、とも言ってくる。

面倒になりそうだ。


「.....取り敢えずサイクリングは今度の土曜日で良いか」


『うん!楽しみ!』


「.....」


それから、おやすみ、と挨拶して幼馴染と通話を切る。

何これヤバい。

思っていると義妹の声が聞こえた気がした。

振り返ってみるが誰も居ない。


何だ今のは幻聴か?

まさか俺が自分自身がキモく毒されているのか?

何だかドキドキが止まらないのだが。

どうしたら良いのだ.....?

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