第10話 『王』VS『女王』②
「はぁ……やっぱりそんな事か……」
四天王たちから話を聞いた茜はため息をつく。
光樹も話を聞いて静かに考えている。
「そんなことでこんな大騒ぎになったの?」
「だって……茜ちゃん……」
「だってじゃないでしょ、美香ちゃん。きちんと止めないと」
「一も、煽るような事をやって。もう協力しないぞ?ただでさえ眼中に無いのに」
「す、すまん!!」
光樹がそう言うと、一瞬で一は土下座をする。
地面に頭を擦り付け、きれいなフォームで土下座している。
横で美香は一をじっと見て、「何が目的なんだか」とつぶやいてる。
……あなたです、美香さん。
その光景を見ながら光樹はそんな事をぼんやりと考える。
「で?どう落とし前つけようかな?」
茜はぎろりとその場にいる全員を睨む。
それだけ光樹の笑顔を奪われたのが悔しかったのだろうか。
全員が固唾を飲んで見守る中、隣にいた光樹が言う。
「そうだなぁ。今回は痛み分けってことでどっちにもペナルティっていうのは?」
そう言うと、茜は少し考え、「いいんじゃない?」と返答する。
「で?具体的にはどうするの?」
「うーん?最初の一週間は女学院に自由にさせて、次の一週間は一切合切禁止にすれば?」
「「「!!!」」」
そう言うと、両学院に衝撃が走る。
——一週間も抵抗権を失ってしまうのか!?
——一週間も好きにしていいの!?
しかし、それは茜によって止められた。
「いやいや、長すぎるよ。一週間もあったら、きっとそっちの学校の人、半数はもう命無いよ。ここは一日でしょ。で、そっちが一週間」
「「「!!」」」
「まぁ、それもそっか」
「光樹は甘いんだよ」
「ごめんな」
「……そういうところが好きなのっ!」
両学園の王と女王。
二人は、この二つの学園の不仲に関わらず、恋仲にある。
それ自体が異常であり、彼らが入学して来た時点で、すべてのパワーバランスがひっくり返ってしまった。
そんな王、女王と呼ばれるカップル。
その二人の悩みは、「一緒の学校に通えたら良かったのにな……」だったらしい。
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これで完結となります!
ここまで読んでくださり、ありがとうございます!
聖ヤンデレ女学院(今年から共学)VSヤンデレ殺し学園(通称ヤン学) 青猫 @aoneko903
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