交差する琴線と花舞う少女達
るなち
サクラサク
プロローグ
交差する世界
桜の咲く時期、
白いシャツにスカイブルーのロングスカートを身に着け長い黒髪を春風に任せ
色々な屋台を巡っていると同級生と思しき人間を見かける。みくりの記憶違いでなければ双子の姉妹なはずだ。二人のことに先に気づいたのは藤色の髪をしたラフなパーカーとジーンズの少女であった。「憂節さんと三月さんじゃん。二人も来てたんだね」そう言いながら手を振りながら歩いてくる少女の名前は
「暇だったから」とみくりはしどろもどろに答える。彼女は未だにひな以外の人間に(克服しようとする気はあるのだが)苦手意識を持っており、このような答えしかできず結局今回もひなが「ナズナちゃん、モモちゃんも来てたんだね!」と明るく答える事に身を委ねるしかないのだ。
ナズナは「今日は兄が仕事で来れなくなっちゃったから二人で来たんだけど」とぶっきらぼうに髪くるくると人差し指で遊びながら言うとモモは「そうそう、寂しがってたんだよねお姉ちゃん」と笑いながらナズナを突く。なんだか私達を
モモは「どうせなら一緒に回らない?」とみくりとひなに提案をする。それはモモ自身の直感から来る提案であった。みくりとひなは顔を見合わせるも、ここで拒否する明確な理由もなければ特段この姉妹と仲が悪いと言う事もなかったので二人で頷くのを見ると「それじゃ、よろしく」とナズナはくるっと半分まわり進行方向を向いた。
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