〜月光熊討伐戦・金ランク冒険者の意地〜
〜月光熊討伐戦・金ランク冒険者の意地〜
私は
別行動している鬼羅姫螺星さんはすでに工作を済ませているはずだ、私たちはとどめを刺すための準備に取り掛かる。
これから韻星巫流さん以外の雷属性に適性を持った冒険者と、
残りの冒険者たちは月光熊を誘導地点に誘き出してもらわなければならない。
この誘導地点は鬼羅姫螺星さんと考えたものだ。
念のため誘導地点は三つ用意したが、十中八九一番近い地点への誘導になるだろう。
湖から約三百メートル離れた位置にある少し開けた場所だ。
「私が合図を出すか、拘束が続かずに月光熊が湖から出てくることがあればこの地図に記した誘導地点に月光熊を誘い出して下さい。 合図を出す前に拘束が解けてしまった場合は、最低でも五分稼いで下さい! 今から五分後に月光熊の動きを封じれれば言うことなしですが、深追いはしなくていいです! 命大事に、でお願いします」
月光熊誘導のために残る冒険者たちに声をかけ、ぺんぺんさん、虎宝さん、レミスさん、龍雅さんを連れてその場を離れた。
今この場には、雷魔法が使えるのは虎宝さん以外の三人と、韻星巫流さんしかいなかった。
だけど、韻星巫流さんは湖に沈められた月光熊を水魔法で拘束しているためこの場を動けない。
そうなるともう一人は銀河さんだけになるが、こちらは目を覚ますかどうかはわからない。
目を覚ましてくれれば完璧なのだが、私たちが来るのが後数分早ければ彼にあんな怪我を負わせずに済んだはずなのだ。
悔しさのあまり下唇を噛む。
「セリナさん! 助けに来てくれるのが早くてよかったよ!
高台へ向かう道すがら、つまらないギャグで私を励まそうとしていたレミスさん。
ギャグがつまらなすぎて一瞬冷たい視線を送ってしまったが……
「レミスさん、ありがとうございます! もう過ぎてしまったことをくよくよ考えるのはやめますね! でも、もうちょっと上手なダジャレで笑わせてくれれば何も文句なかったんですけどね!」
「そんなあ。 私はうまいと思ったダジャレしか言ってないつもりなんですけど……」
モジモジし始めるレミスさんに、私は裏手でバシッと肩を叩いた。
「そこで『
私の渾身のギャグで、全員大爆笑!
——とはいかずに、レミスさんは「わぁ! さっすがセリナさん!」と言っていたが、他のみんなから冷たい視線を向けられた。
何でだろう、うまいと思ったのに……
☆
一旦戦闘が終わった今、湖のほとりで気を失ったぺろぺろめろんを、すいかくろみどと夢時雨が看病している。
「ゆめぴー、もしかしてぺろりんに惚れちゃったの? ぷぷぷー」
「ち、違いますよ! 僕なんかじゃこんな強い方とは釣り合いませんし、先程は失礼なこと言っちゃって、ほんとごめんなさい……」
先ほどまでとは打って変わり、ものすごく丁寧な口調の夢時雨。 動揺したすいかくろみどは口をぽかんと開けている。
「……え? ゆめぴー? 何事?」
戦闘が一時終了した夢時雨は、いつもの弱気な人格に戻ってしまっている。 しかしそんな彼の特性を知らない冒険者はみんな混乱する。
「夢時雨君、あれ本当に同一人物なの?」
「あいつは戦闘中は強気なんすけど、戦闘が終わるとかなりネガティブになるんす。 一応貂鳳さんらと同じ第一世代っすよ」
「貂鳳さん!」
急に夢時雨に呼ばれた貂鳳はびくりと肩を震わせる。
「な、なな、なんでしょう」
「先程は失礼なことを口走ってしまい本当に申し訳ありません! 僕なんかが生意気なこと言って、不快な思いをさせてしまい本当にすみません」
頭を下げて謝ってくる夢時雨を見て、あたふたする貂鳳。
「か、構わないよ? 気にしないで?」
貂鳳は顔を引き
「遅れて登場だし! ギャラクシーって人はしっかり拠点に運んだし! 往復してマジで疲れたし!」
瀕死の銀河を拠点に運んでいたべりっちょべりーが戻ってくる。
「マジやばかったし! 長時間重力の影響受けてたみたいで、内蔵が破裂寸前だったし! あと一分でも遅れてたらマジやばかったし!」
べりっちょべりーの回復魔法はかなり優秀だ。
一度回復魔法をかけられた者は、完治するまでは自動で治療し続ける。
つまり、一度魔法をかければべりっちょべりーがその場にいなくても回復し続けるため戻ってきたのだ。
「銀河は無事だったのか?」
パイナポの問いかけに、べりっちょべりーは頷く。
頷いたべりっちょべりーを見てほっと息を吐いた貂鳳は、湖を睨みながら青い弦と白い弦を交互に弾き続けている韻星巫流に視線を向ける。
「ええっと……韻星巫流さん、魔力持ちそう?」
貂鳳は、少し嫌そうに声をかけていた。
「貂鳳さん! 心配してくれてありがとう! だが安心せよ! 心配無用である! 何せ私は不可能を可能に——」
「だっ! 大丈夫なら結構なんで! きつくなったら簡潔に! 十文字以内で教えてね!」
韻星巫流の言葉を遮って、強めな口調で念を押す貂鳳。
彼は一度話すと長々と喋り続けるため、話しかけるのを嫌がられやすいのだ。
「じゅ! 十文字以内でございますか! それはなんとも難しい問題! だがそれでもやり遂げて見せましょう! なんせ私は不可能を可能にする男! 韻星巫流なのだから! 先日も水魔法を長時間操作する事があったが——」
以下略。
韻星巫流の話は約一分間に渡り続いていた。 そして全員の目が死んだ魚のようになっていた頃……
「そこで私はこう言ったのだ! 諦めることは何もない! なぜならこの私が……」
「——んんむ、くろみっち? もしかしてうち、気を失ってた?」
韻星巫流の話を遮って、べりっちょべりーの回復魔法で意識を取り戻したぺろぺろめろんが目を覚ました。
「ぺろぺろめろんさん! 目を覚ましたんですか! よかった、本当によかった……」
声をかけた夢時雨の顔を見て、ぺろぺろめろんは彼を二度見する。
「——は? ゆめぴー? で……あってる、よね? え、どしたん? 頭打ったん?」
夢時雨の激変した態度に困惑するぺろぺろめろん。
「あ、ぺろりん! 痛いところとか無い? なんかねー、ゆめぴーはねー。 戦闘中は肉食系男子になって、戦闘してない時は草食系男子になるらしいよ! マジヤバピーナツな人だったらしいよ!」
「確かに、マジヤバピーナツだね、ゆめぴー」
ぺろぺろめろんが呆れたような顔で夢時雨をじっと見つめる。
ちなみにマジヤバピーナツとは彼女たちの中で流行っている言葉で、意味はなんの捻りもなく『マジでやばい』と言うことらしい。
「ぺろりんちゃん! 無事でよかった。 さっきはあなた一人に負担をかけちゃって、ごめんね」
「あ、てんてん! おはー! 気にしないでよ〜、うちが勝手に突っ込んだんだし〜」
「あ、ありがと……」
貂鳳はさりげなくあだ名をつけられたことに、少し眉を引き攣らせながらもペコリと頭を下げる。
だがその瞬間……
「ヤバいヤバい! 早く逃げたまえ諸君!」
韻星巫流の危険を告げる言葉は、ぎりぎり十文字を超えてしまっていた。
湖の中で大爆発が起きたかのように、空気を揺らす破裂音が辺りに鳴り響く。
大量の水飛沫が上がり、目から血を流した月光熊は丸太のような太い腕で韻星巫流を薙ぎ払った。
メキリと鈍い音を立てながら韻星巫流が吹き飛ばされる。
「韻星巫流!」
「べりちょん! くろみっち! ぽっしーをお願い!」
ぺろぺろめろんの言葉でべりっちょべりー、すいかくろみどは院星巫流救出のためすぐに駆け出す。
遥か彼方で轟音が響き、砂煙が上がる。
「あんなところまで……」
貂鳳は砂煙が上がった方角を見て狼狽する。
「バカかテメェ! 目ぇ離してんじゃねえ!」
呆然と立ち尽くす貂鳳が、すぐに臨戦体制に入った夢時雨に突き飛ばされる。
そして咄嗟に貂鳳を庇った夢時雨までもが、月光熊の攻撃をまともに食らい遥か上空まで吹き飛ばされた。
「時雨!」
パイナポの叫びを聞きながら、貂鳳は自らの失態を呪うように、悔しさのあまり強く噛んだ下唇から血が垂れる。
「パイナポくん!」
パイナポは動揺しながらも貂鳳に視線を送る。
「私が足を引っ張っておきながら、何様だよって思うかもしれないけど……彼を、お願い」
貂鳳はそう告げると、刀を抜いてゆっくりと月光熊に歩み寄る。
パイナポは一瞬だけ貂鳳を睨み、何かを言おうとしたがすぐに吹き飛ばされた夢時雨を追った。
「私は、自分が情けない……金ランク冒険者を名乗っておきながら、この失態はなに?」
貂鳳は自分の刀を見つめながら呟く。
「情けなくて、目も当てられない」
月光熊は歩み寄る貂鳳に、問答無用で襲い掛かる。
「ちょっ! てんてん?」
次の瞬間、何が起きたかわからず、ぺろぺろめろんは絶句した。
攻撃を仕掛けたはずの月光熊は、不自然な姿勢で宙を舞っていた。
何事もなかったような表情で、貂鳳は剣を構える。
「失態を晒したまま終わるなんて! そんなの私のプライドが許さない! セリナさんが指定した残り三分。 いや、ここから先は……私一人で相手してあげるから。 金ランク冒険者の意地、見せてあげる!」
☆
「……何? 何がどーなってあーなってんの?」
ぺろぺろめろんですら状況が理解できていなかった。
先ほどからずっと、貂鳳に攻撃を仕掛けているはずの月光熊は、なぜか一瞬にして宙を舞っているのだ。
「ものすごいパワー、まともに食らえばひとたまりもないけど。 直上的で、受け流しやすい」
貂鳳は相手の攻撃を受け流し、その力を利用して反撃に転じている。
その動きは優雅でいて大胆。 一挙手一投足が舞うように繰り広げられ、月光熊は弄ばれているかのように空中で踊る。
「す! すごすぎっしょ! てんてんマジヤバピーナツ!」
ぺろぺろめろんは貂鳳の攻撃をサポートしようとしていたが、レベルが高すぎる動きについていけないと判断。
間合いの外から様子を伺うしかできなかった。
「夢時雨くんが目を潰してくれたおかげで、重力は感じない。 それにさっきの引き寄せは、熊さんの間合いに入ってれば怖くない」
月光熊は怒りに任せて攻撃をするが、次の瞬間には不自然に回転しながら吹き飛ばされる。
貂鳳は宙を舞う月光熊に何度か渾身の一撃を当てるが、月光熊の硬い皮膚に傷一つつけられない。
「私の剣も……全然ダメージになってない、か」
貂鳳はぼそりとつぶやくと、刀を鞘に収める。
「なら、内側を破壊するしかないかな?」
そう言いながら素手で構えなおした。
月光熊の攻撃を達人のような動きで受け流すと、月光熊の脇の下を手掌で打つ。
強力な打撃音と共に衝撃波が発生するが、月光熊の動きは未だに変わらない。
(ここもダメか。 なら、ちょっと無茶してみるかな!)
次に月光熊が伸ばしてきた腕を紙一重で避けつつ、伸びた腕を両腕でしっかりと固定して足を払う。
すると月光熊は腕を軸にしてくるりと回転する、貂鳳は月光熊の回転に合わせ、固定していた月光熊の腕を逆に捻った。
すると、バキバキと鈍い音を立てながら、月光熊の腕がねじれてしまう。
痛みに耐えかね、おぞましい叫び声をあげる月光熊。
月光熊は地面に投げ飛ばされ、ねじれた腕を庇いながら叫び、少しづつ後ずさる。
瞬きすることすら忘れて目を見張るぺろぺろめろん。
貂鳳は、後ずさる月光熊を見て、影の差した表情で微笑みかけた。
「なるほど……倒し方がわかったよ? 皮膚が硬くて切れないなら、その体を内側から壊せばよかったんだね?」
☆
とどめを指す準備を進める私たちは、ぺんぺんさんに頼んだ細長い二本の磁石作成を手伝っていた。
「セリナさん……あの、月光熊の腕がバキバキに折れてます」
急にレミスさんが意味不明な事を言い出した。
「え? なんて?」
私は思わず、声を裏返らせながら聞き返す。
「貂鳳さんが、月光熊の腕をバキボキに折ってます」
視力がかなりいいレミスさんは、私に逐一戦況を伝えてくれていた。
吹き飛ばされた韻星巫流さん、夢時雨さんは救出されてべりっちょベリーさんの回復を受けているらしい。
狼煙が上がってない事から命の危機は脱したと願いたい。
「レミス、今なんて言ったんだ? キャステリーゼちゃんも耳を疑ってるぞ?」
作り出した二本の磁石の強度を上げる作業をしているぺんぺんさんは、訝しげに問いかけていた。
確かに耳を疑いたくなる気持ちはわかる。
しかし何度も同じことを聞き返されるレミスさんは、こめかみの血管を怒りマークにして浮き上がらせた。
「何回言わせんですか! 腕がバキバキのボッキボキって言ってんですよ! 耳つんぼですか皆さん!」
「なんかすまん……あの月光熊の凶悪さを間近で見てたから信じられなくてな」
困り顔で謝罪するぺんぺんさんに習い、私も一応謝っておく。
「貂鳳は、相手の力を利用してカウンターを仕掛ける。 不思議なことではない。 あいつは一対一ならありえない程の強さを誇るからな」
「それに夢時雨が目を切り裂いたおかげで重力の影響もねーみたいだし。 今なら貂鳳一人で倒せるかもしんね〜ぞ〜?」
虎宝さんが捕捉するように続ける。
「だが先ほどその夢時雨が言ったばかりだ、相手は上級モンスター。 油断は命取りになりかねん。 そんなことよりぺんぺん、まだできんのか?」
「俺も魔力かなり溜まってるよ? あんときの一撃よりやばいの打てるはずだ〜」
磁石作成中のぺんぺんさんを、龍雅さんと虎宝さんが急かしている。
「あ、あれ以上の威力……ですか?」
虎宝さんの言葉を聞いたレミスさんが顔を引き攣らせていた。
そんなレミスさんを横目に見ながら私は心の中で思った。
——その程度で驚かれたら次の一手で心臓止まってしまいますよ?
なぜならぺんぺんさんの作業が終われば……
「安心して下さい! ぺんぺんさんの磁石ができれば、その威力の三倍は出せるでしょう!」
「「「「えっ?」」」」
みんな、かなり驚いていた。
☆
セリナが足止めを頼んだ五分の内、約三分半が経過していた。
残り一分半。
貂鳳は月光熊を圧倒していた。
月光熊は左腕を捻り折られ、骨はおそらくとんでも無い事になっている。
その攻撃をされてから月光熊は無闇に攻撃してこなくなっていた。
貂鳳の動きを伺いながら、まだ動かせる右腕を振り回すような攻撃しかしなくなったのだ。
それでも月光熊の攻撃は受け流されて、何度も宙に投げられている。
しかも地面に着地するのは、折れている左腕が下敷きになるように。 投げられ、地面に落ちるたびに悲鳴をあげる月光熊。
その姿を、
「ぴーぴー泣き
邪悪な笑みを浮かべながら手をくいくいと招く貂鳳。
「てんてん……マジ鬼畜じゃん」
半分引いているぺろぺろめろん。
立ち上がった月光熊は貂鳳を
「ふふーん、うちなら簡単に倒せるとか思った? たしか、こうだっけ?」
見よう見まねで貂鳳の真似をするぺろぺろめろん。
不恰好ではあるが見事に攻撃を受け流すことに成功。
月光熊の攻撃は流されて、ぺろぺろめろんの足元で無様に転ぶ。
慌てて駆けてきた貂鳳は驚き、目を見張る。
「ぺろりんちゃん、めっちゃ筋いいね」
「いや〜、てんてんみたいに空にくるくる飛ばせなかったし〜。 でも何度も見てたからなんとなく原理はわかったっぽいかも?」
そんな風に言いながらも、油断なく倒れた月光熊から距離を取るぺろぺろめろん。
次の瞬間、月光熊中心にものすごい衝撃波が発生する。
(これ、さっきあたしが食らったやつ? しかもさっきより、威力が……)
さっきぺろぺろめろんが昏倒した攻撃が二人を襲う。
二人は衝撃波に耐えきれず、後方の森まで勢いよく吹き飛ばされた。
貂鳳は誘導地点の方に飛ばされるように咄嗟に体制を変えたが、ぺろぺろめろんはまともに衝撃波を喰らってしまっている。
「ぐっ! ぺろ、りんちゃん?」
すでにぺろぺろめろんは気絶してしまっていた。
(息はある、私が絶対助けるから!)
吹き飛ばされ、
貂鳳は衝撃波が来る直前、後ろに飛んで威力を緩和していたのだ。
吹き飛ばされ大木に衝突する瞬間、力を逃して衝撃を緩和する。
それでもかなりのダメージを負った貂鳳は額から汗を滴らせた。
同時に、両断蟷螂の群れに囲まれていることに気づかされ、正面からは月光熊がものすごい勢いで駆け寄ってくる。
貂鳳は顔を引き攣らせながら周囲の両断蟷螂の数を確認。
(十二体……これだから大量発生は。 さっきの攻撃が思ったよりヤバかった。 気を抜いたら倒れちゃうかもね)
貂鳳は気絶してぐったりしているぺろぺろめろんを大木に寄りかからせると、
(でも、なんだかんだで誘導地点までは来れたし、私のせいで韻星巫流くんや夢時雨くんに重傷を負わせちゃった、今が汚名を晴らす時!)
吹き飛ばされることを予測した貂鳳は誘導地点近くの大木にぶつかるよう角度調節をしていたのだ、誘導地点に来た以上、ここで月光熊の動きを封じなければならない。
激痛が走る脇腹を抑えながら貂鳳は刀を抜く、そして距離を詰めてくる両断蟷螂たちを対処しようとした瞬間。
「今だ! これは奇襲という名の突進だ!」
響いた声は、
「大丈夫でやんすか貂鳳殿? 安心していいでやんす。 韻星巫流も夢時雨も無事でやんした。 そんでもって心強い援軍も連れてきたでやんすよ?」
貂鳳に襲いかかっていた両断蟷螂に矢の雨が降り注ぎ、草むらから飛び出した香芳美若の槍が両断蟷螂の頭を貫いた。
「さあ! 正々堂々奇襲だ! 行くぞ! ゆっくり休んだ我らが、皆を救う出番なのだ!」
「我が友! 香芳美若が、仲間を守るため、自分の心情を曲げたのだ! この覚悟を無駄にさせるな! 死ぬ気で殺せ! 行くぞ貴様ら!」
ガルシアはボロボロと泣きながら号令をかけ、両断蟷螂の頭を次々と射抜く。
そして彼らの前に月光熊が現れたその瞬間、地面に大穴が空いた。
空いた大穴に吸い込まれるように、月光熊は落ちていく。
その大穴に視線を向けた
「作戦は万事うまく言ったでやんす。 貂鳳殿、後退しやしょう。 後はセリナさんに任せるでやんす!」
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