声
君がたとえ
いくつもの鎧を纏っても
君がたとえ
どれだけの嘘をつこうとも
心の奥に 挟まって
身動きがとれなくなってしまったきみに
きみにさえ忘れ去られた
きみに
誰からも見てもらえなくなった
きみに
声をかけつづけている
手を握りつづけている
月の光も そよぐ風も
秋の匂いも 雲の光も
ほら きれいだよ
君がもう 自分のことを
思い出せなくなったとしても
わたしはずっと
きみを見つめているよ
きみに声を かけ続けているよ
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