たいふう
部屋が にわかに翳り
台風が来たことを知った
窓に近づくと
外では 雨が降っていた
やがて 雨脚がつよくなり
風は 大きな音を立て始め
室内はしだいに 透き通りはじめた
ドビュッシーの
アナカプリの丘という曲が
雨音に混じって 流れていた
このまま時が 止まればいいのに
そう思っていたら 名残惜しくも
雨はすぐに 止んでしまった
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