扉のない店(夢のこと2)


夜か あるいは建物の中なのか

あたりはひどく暗い

人ひとり通れるほどの狭い階段を

登っていくと 左側に

店の入り口があらわれる

扉はなく 入店すると

赤錆色の髪をもった大女が座っている

そこはバーのようで

わたしは飲み物を注文する

テーブルは中央と壁側にあって

わたしはどの席についたか分からない

店内は舞台袖のように雑多な雰囲気だった


気づけば階下にいる

大量の客が階段をあがり入店する

わたしは後をついていき

暗いが 騒がしくなった店内で

客の注文を聞いている

従業員と思われているらしかった

いちどに覚えきれず

紙と鉛筆を用意する

店主の女は椅子にすわって

客と談笑していた


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