いのちを一つ


 いのちを一つ

 生み出すのも骨が折れるし

 いのちを一つ

 送り出すのもまた骨が折れる


 沢山のいのちが絡み合って

 成り立っているこの日常で

 不穏な兆しを見せたいのちが

 なまりのように重く

 わたしたちから

 朗らかさを奪う

 

 わたしたちは

 風のように

 舞い散る木の葉のように

 軽やかなものに憧れて

 目を瞠って


 そうしてなんとか今日も

 重たい いのちを抱えて

 少し無理して笑っているよ

 できるだけ明るい声で

 君とおしゃべりをするよ

 こんなでも世界はいいもんだって

 君に思ってほしいからだよ


 

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