型に嵌めてくれるな


 何度だって言ってやる

 

 私はお嫁ちゃんという生き物ではない

 私は奥さんという生き物ではない

 私はおかあさんという生き物ではない


 決してない

 断じてない


 それらの言葉はお前らと私の続柄でしかなく、決して私自身のなるたるかを指し示す言葉ではない


 わたし世間おまえら

 都合のいい玩具にするんじゃない


 私をお嫁ちゃんにできたことを有難く思え

 私を奥さんにできたことを有り難く思え

 私をこの狭い檻に入れられたことを

 せいぜい神に感謝しろ

 私はペットでも装飾品でもない

 飼い慣らそうなどと思うな

 私を侵害するならば

 何度だって牙を剥いてやる

 恥を知れ 何度だって言ってやる

 恥を知れ この大馬鹿者共め

 人を軽々しく扱うんじゃない

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る