尊いもの


 私たちの罪は

 生きることを選んだこと

 私たちの罰は生き続けること


 感情の死骸が 魂の死骸が

 誰かの泣き声が 母の泣き声が

 うらめしいと責め立てる

 忘れたつもりかと責め立てる


 全て背負って存在し続けること

 罪を享受したまま存在すること


 尊いと知る きっと初めて

 生まれて初めてそう思う


 生きることは尊い

 あなたは何があっても生きている

 倒れそうな何かを背負いながらも

 生きている


 罪と罰を無限に生み出しながら

 ただ存在することを選ぶ私たち

 尊い 存在し続けることは

 こんなにも


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