第8話

「いやでも、逢坂さんが話したがってるし」


「いや、別に話に興味ないしいいから」


「どうしても席を譲ってほしいみたい。先生に頼んでほしいって言われた」


「そこまでする理由はなんだろう?」


「それは、鈴野くんと話したいから?」


「もう十分なんじゃないかな」


「仲良くなりたいとか?」


「そう言う感じではない」


「じゃあ好きなんじゃない?」


「…それは、ないと思うけど。とにかく、席替えはなしで」


「明日、先生に一応変えてって話すよ」


「どうしてそんなに逢坂さんに甘いのか教えて欲しい」


「頼まれたから」


「…命令?みんななんであんなに擁護してるんだろう」


「人気者だから?」


「それなのに君は、どうして普通な態度で接してられる?媚びたりはしてないけど、態度は他の人より雑に感じる」


「…え、それが恨みってこと?えー今からこびへつらえって言われてもな」


別に、クラスメイトの1人なんだけれども。何がどう違うかわからないし。


「それじゃ、もう帰るね」

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