心を病むって事

立花万葉

第1話

解離性同一性障害と言われても、いまいちピンときませんよね?

でも多重人格だったら?

それだったらよく本や映画で設定としてありますよね。

でもね、テレビゃ本、映画で扱われてるような感じじゃないんですよ。


本当の解離性同一性障害って、ほとんど専門の先生もいないし「ここからが多重人格だ!」という境界線もほとんど分かりません。


私は、20歳の時に診断されたのですが未だに他の人格達の事はよく分かりませんね。

常に頭の中が騒がしい感じがします。たくさんの人格達が存在するのは分かるのですが、その人格達の事を主治医に説明するのにいつも苦労しています。


ただ気付かないうちに入れ替わったらりしたら

ものすごく大変です。

人格によっては他人を傷つけてしまう事があるからです。傷付けるとは精神的、物理的の両方です。

言葉で傷付けてしまう事もあれば、暴れる事もあります。


しかし誤解して欲しくないのはそうする『意味』があるからです。

存在する人格達はすべて私自身を守るために存在するんですよ。


守る為に生まれた人格達です。

人格達にとっては言葉で傷付けるのも暴れるのも守る為の手段なんですよね。


でも私はその方法が大嫌いです。他人を傷付けるくらいなら自分が傷付いた方がいいと考えてます。


この方法も間違っているのかもしれないけど、私にとっては周りに被害を出さない最善の方法なのですよ。


もう23年目にもなるので、さすがに自傷行為はしませんがね。


でも最初の10年は本当に手がつけられませんでした。

何かがおかしいと思っても自分では分からない。家族や友人達にどれだけ心配、迷惑をかけた事か…。


意を決して病院に行っても原因が分からない。ありとあらゆる病名をつけられるなんてザラです。

両手両足の指では足らないくらいの病名が付けられました。


病院もたらい回しですよ。そりゃそうですよね、原因が分からないんですから。


ただ私は運良く解離性同一性障害専門の先生に出会う事が出来ました。本当に運が良かった。


その先生に出会うまでが長かったので、最初の診察は私自身にその病名の説明からでした。そして本当に解離性同一性障害なのかのテストです。

テストした結果がビンゴでしたね。

でも誰が納得すると思いますか?

「はい、あなたは解離性同一性障害。いわゆる多重人格障害です」と言われて納得します?


私はしませんでした。


それこそ本やテレビでしか知らない病名に激しい反発しましたよ。

だって良いイメージがないから。


学生の頃読んだ「24人のビリーミリガン」のイメージでしたからね。あの本ですらフィクションだと思ってました。作り話だとね。


それなのに私も同じ。意味が分かりませんでした。

嘘だと思いました。


でも先生から見せられた検査結果や証拠(?)を見て大ショックを受けましたよ。


でも信じなかった。信じたくなかった。


ここから私と先生の激しい闘いが始まりました。

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