2話.デスゲームの運営人


―デスゲームの運営人。



 それが、この二人が携わる仕事の内容を表すのに、最もふさわしい言葉だった。

 もっと一般的な職種で言い表すならば、いわば脳科学研究施設の研究員。

 彼らのいるこの古びた巨大施設はとある組織によって統括されており、主に人間のについての研究が執り行われていた。

 彼らが欲しているのは、通常の生活では得られない、人の死による極限状態の感情と脳のはたらき、行動心理について。

 それらのデータを採取するため、実験と称し実施されているのが、まさにと呼ばれるものだった。

 デスゲームの開催には出資者、運営人、プレイヤーと大きく分けて三つの役割が存在するが、二人の就く運営人は、まさにゲームの管理、運行、データの取得を担っている。

 何故そんな研究をする必要があるのか、組織は何を目的にしているのかは不明だが、それは施設でもそれなりの地位にいる雲十たちでさえも同様のことだった。

 自身の背後に潜む大きなものには無理に目を向けず、ただ実体のない何かの部品として機械的に生きていく。

 それが雲十と成世を含む、不運にも運営人となってしまった人間の末路だった。


 雲十たちはあれから部屋を去り、招集命令の下った二階の管理室に向かって、施設の薄暗い廊下を歩いていたのだが。


「うげぇ…待ってやば、超腹痛い…」

「…」

「おま、なんで昨日後処理してくれなかったんだよぉ…!」


 そう言って腹部を押さえ、半泣きですがりついてくるのは当然隣にいる成世。

 雲十はそんな成世に目もくれず、鬱陶しげにため息をつくと、足の速度を緩めることなく冷たく彼に言い放った。


「…僕、後処理はしないっていつも言ってるよね」

「いや俺が寝落ちした時、雲十起きてたっしょ!?たまにはやってくれてもよくない!?」


 雲十と成世はあくまで互いの欲を発散するための関係。

 恋人でもあるまいし、相手の事後処理までする義理はないというのが、雲十の主張だった。

 だが呆れ顔を浮かべる雲十を前に、「それに、」と成世はなおも食い下がる。


「最初の方はやってくれてたじゃん!?」

「いつの話してんの…」


 成世の言う通り、確かに関係を持った最初の数回は雲十が一方的に襲っていたのもあり、雲十自らが事後処理を行っていた。

 というか、その後処理すら強情に嫌がる成世が面白くて、積極的にやってしまっていた節もある。

 だが。


 (…こんな面倒なことになるんだったら、最初からしなきゃよかった)


 そんなことを、今になって思っていた。

 あと、と、雲十は続ける。


「昨日中出ししてって言ったの、成世だよ」


 僕はちゃんと聞いたし、と雲十が最後にとどめを刺す。

 すると、成世はドスッといかにもな正論を直に受け、悲鳴を上げてその場で大きく崩れ落ちた。

 あまりのわざとらしさに、雲十はげんなりと肩を落とす。


 (……うざ、)

 


…正直に言うと、雲十は成世とセフレの関係を持ったことを少し、否、かなり後悔していた。

 


 ハッキリ言って、ウザい。

 体の相性や行為の内容に特に文句はないのだが、それ以外は、てんで成世は雲十が一番苦手とするタイプの人間だった。

 常にヘラヘラ笑っていて、チャラくて、嘘くさい。

 おまけに用もないのに駆け寄ってきては、かまって欲しいとでも言うようにちょっかいを出してきて、挙句の果てには拒絶しようが何かと絡んでくる始末だ。

 もっとも、先に手を出したのは雲十だろうと言われてしまえば元も子もないのだが、まさか彼も成世がここまで厄介な人物とは思いもしなかった。

 というのも、出会った当初の成世は色々あってかなり荒れており、異様に猟奇的だった反面、雲十が話しかけてもまともに目を合わせてくれさえしなかった。

 そんなところが面白くて、犯したくて、手に入れたくて、雲十は成世に関係を持ちかけたのに。


(…襲う相手、間違えたかも)


 雲十は無視して歩き続けたが、成世は未だいじけたように廊下の中央で蹲っている。

 頬を膨らませて不満をあらわにしながら、彼は口をとがらせてぼそりと呟いた。


「…でも、腰痛いのは俺のせいじゃないもん…」

「………は?」


 さすがにこれは聞き捨てならなかったらしい。

 まるで昨夜は雲十の方ががっついていた、とでも言いたげな成世の発言に雲十はぴたりと足を止めると、くるりと後ろを振り返って言う。


「…僕、昨日動いてないんだけど」

「へ…?」

「今回は騎乗位しかやってないよ。動いてたのは、成世」


 雲十がそう返すと、さっきまで騒がしかった廊下は一瞬にして静まり返った。

 そして、数秒後。

 ボフッと、一拍遅れて成世の顔が一気に紅潮する。


「え…マ、マジ…?」

「だからそうだって言ってんじゃん」


 雲十がそう吐き捨てると、成世は「うわあぁぁぁ…!!」と突如押し寄せてくる羞恥に悶絶し、ばっと勢いよく膝に深く顔を埋めさせた。

 恥ずかしさにのたうち回る成世に軽蔑の視線を送りながら、雲十はうんざりとした気持ちで再び廊下を歩き出す。

 …まあつまるところ、全部成世が悪かったのだ。

 昨夜の行為で雲十が後処理をしない、とわかった上で中出しを要求したのも、雲十にがっついて騎乗位を求めたのも成世だった。

 あくまで合意。

 どちらかというと、毎度雲十の方が成世の要望に押し流されているくらいであるのに。

 行為中の記憶が飛んでいるというのは、これ以上ないほどタチが悪い。

 これで何回目かわからないほど何度も交わした同じようなやり取りに、雲十は「はー…」と大きく息をつくと、未だぎゃあぎゃあ騒ぐ成世を引き離すように、すたすたと歩行を速める。


「…」

「あ、ちょっ待ってよ~!」


 置いてかれた、と察した成世がすぐさまあとを追いかけてくる。


これが、雲十と成世の日常だった。




 施設の二階に位置し、プレイヤーの生死を操作する運営人のたまり場、管理室。

 ゲームの進行とプレイヤーたちの動向を監視し、真っ暗な部屋に数十台のモニターとおびただしいほどの配線が張り巡らされたその部屋では、珍しく緊迫な空気が漂っていた。


(うっわ、何この空気。きっつ…)


 そんな緊張感に包まれた一室の扉を、「はよーございまーす…?」と成世はいつも通りの軽い口調で挨拶しつつ、室内を伺いながらも恐る恐ると押し開く。

 成世の後ろからは、相変わらずの無表情で雲十がついてきていた。

 既に揃っていた彼ら以外の四人の運営人たちは全員白衣を着込み、中央に設置された巨大なモニターを一心に覗き込んでいる。


「…え、なにこれどういう状況?」

「おぉ遅かったの、お主ら」


 そう言って振り返ったのは、白衣の中に赤いチャイナドレスを身につけ、艶やかな黒髪を腰まで伸ばした紅い瞳の美人。

 なんかあったの、と成世が尋ねるとその人物は肩をすくめ、いつもの老人口調でどこか楽しげに笑ってみせた。


「さあ?まあ、面白いことになってるのは確かじゃがの」

「面白いこと…?」


 成世が聞き返すと、今度はモニター近くにいた黒髪の青年ー真堂と目が合う。

 彼は何も言わず、ただ「お前も見てみろ」とでも言わんばかりに中央のモニターを顎で指し示した。


「…?」


 怪訝に思いながらも成世は数人の人だかりをかき分け、巨大なディスプレイの前に躍り出る。

 そして。



「………………………………………………………なにこれ」



 …瞬き一つせず、画面を凝視したまま、しばらくして成世の口から漏れ出たのはそんな言葉。

 感情の抜け落ちた、それでいてどこか計り知れないほどのを含んだ声で低くそう呟く彼には、もはや先ほどまでの軟派な青年の姿などどこにもなかった。

 

モニターの画面には、昨日のゲームで生き残ったのであろう、高校生くらいの青年が映り込んでいた。


 学校の制服に身を包み、プレイヤー特有の金属製の首輪をつけた青年は、物凄い形相でこちらを睨みつけている。

 目尻に涙を浮かべながら、怒りと憎しみ、そして何より復讐への決意の籠った強い瞳で、青年は画面の向こうで声を枯らし泣き叫んでいた。



「ーだから俺はあんたたちの仲間になって、てめぇらを内側からぶっ壊す………小春こはるを殺した、こんなクソみたいなゲームを終わらせてやるよ!!」



「………なに、この子」


 映像を目にし、真っ先にそう声を漏らしたのは雲十。

 運営人たちの輪の外から眺めるようにしてディスプレイを覗いていた彼の視線には、侮蔑の色が濃く滲んでいた。


「ていうか、誰。そもそも、なんでこんなことになってんの」


 雲十が指摘すると、モニターの隣で腕を組んで立っていた真堂は眉に皺を寄せ、僅かに渋い顔をした。

 普段淡々としている彼がこんな表情を浮かべるなど、非常に珍しい光景だ。

 真堂は一度息をつくと再びモニターに目線を移し、やがて静かに話し出す。


「彼の名は漣怜也。さざなみれいや現在十六歳。今回のゲームの唯一の勝者だ」

「…ゲームは?何やってたんですか」

「【人狼ゲーム】です」


 突如として彼らの会話に割って入ってきたのは、この施設ではあまり聞き慣れない高い鈴の音のような、しかしどこか芯の通った鋭い女性の声。

 ちらと、雲十はモニターの前の人物に目を向ける。

 そこにいたのはディスプレイの前に座り、運営人たちの輪の中心となっている白髪の少女だった。

 人狼ゲーム、という彼女の言葉に、雲十は視線を逸らしながらも、どこか懐かしそうにほくそ笑む。


「…あぁ、あれね」


 そのゲームは雲十…そして、成世にとってはある意味馴染み深いゲームだった。

 雲十が画面を見つめていると、「けど、何が問題なのじゃ?」と、こくりと小首をかしげ、今度は黒髪の美人が真堂に尋ねる。


「プレイヤーの運営側への志願など、別に珍しくもなんともないじゃろ。何故ここまで騒ぎ立てる?」

「…」


 当然ともいえる美人の疑問に、事情を知っているであろう少女と真堂は口をつぐみ、押し黙った。

 雲十も少女に目を向けるも、彼女は画面の向こうの青年を見つめるだけで、こちらには見向きもしない。

 …実際、この青年のようにプレイヤーから運営側への加入を志願する者は少なくなかった。

 必ずというわけではないが、雲十たち運営側の人間は、プレイヤーからの意思表明があった場合のみ、彼らの組織への所属の有無を検討する場合がある。

 とはいっても許可が下されるのはほんの一握りであり、そのほとんどはその場で処分されるか、プレイヤーとしてのゲームの続行を強制されるだけである。

 許可を得られたとしてもその人物が本当に運営側にとって有益となる存在なのかどうか、主に真堂によって、今までのゲームとは比にならない難易度のゲームが彼らに課され、そこでほぼ全員が命を落とす。

 事実、プレイヤーから運営側へ移転できた者は存在しなかった。



いるとすれば、それはゲームの【出資者】を身内に持つ、不破成世と蓮水雲十という人物だけだ。



 …まあつまるところ、今回の青年も、生き残れる見込みがないのなら無視するなり、今すぐ処分してしまえばいいだけの話だったのだが。

 どうやら、そういうわけにはいかないらしい。

 真堂はしばらく固く口を閉ざしていたが。

 やがて観念したのか、徐々にその重い口を開き始めた。


「―…真白ましろの正体が見抜かれた」

「…!!」

「運営人の存在はまだしも、真白の正体を見破られたのはさすがにまずい。他のプレイヤーに吹聴される可能性がある。よって、彼をプレイヤーとして今後もゲームを続行させていくのはもはや不可能だ」


 真堂の言葉に、真白、と呼ばれた白髪の少女は自身の失態を悔やんでか、そっと静かに目を閉じた。

 管理室に衝撃が走る中、雲十はいつもと変わらない落ち着き払った声で言う。


「…つまり。処分するか、受け入れるしかないと?」

「あぁ。…それに、何より出資者の方々が彼の存在を望んでいる」


 出資者、という単語に次に反応したのは成世だった。

 モニターの映像を見て以降、まるで人が変わったように一言も言葉を発していなかった彼は、真堂に顔を向けると少し掠れた声で呟く。


「…兄貴たちが?」

「ああ。提案者は衣織いおりさんだったと聞いている」

「…」


 真堂の返答に、成世はぐっと自身の拳を無意識に握り締めた。


 (…まぁ確かに、あの人のやりそうなことだけど)


 一方その傍ら、二人の会話を聞いていた雲十はそう心の中で呟いた。

 脳裏に、成世に似た金髪の爽やかな好青年が思い浮かぶ。

 衣織というのは、不破衣織…成世の二つ年上の実兄にあたる、出資者の一人のことだった。

 デスゲームの主催者の中には、運営人の他に【出資者】と呼ばれる者たちが存在し、主にゲームを開催するための資金提供を行っている。

 彼らは組織に金銭的援助をする代わりに、プレイヤーの勝敗を賭けた、いわゆる【賭博】をする権利を上層部から与えられており、それによってさらに資金を循環させていた。

 実際、デスゲームは彼らの存在によって成り立っていると言っても過言ではなく、出資者たちは賭博のみならず、他にもプレイヤーの指定や一部ルールの改変など、ゲームの開催において一定の発言権が認められている。

 ちなみに雲十の六つ上の兄、蓮水雲龍うんりゅうも出資者の一人であるのだが。


「…あのさ。全然、話がわかんないんだけど」

「…」

「だいたい、何が原因でそうなったわけ。0番が…あのが、そんな簡単にヘマするとは思えないんだけど」


 歯に衣着せぬ言い方で、そう管理室の僅かな沈黙を破ったのは、雲十のため息混じりの声。

 雲十の言葉に真白は目をすっと開け、初めて彼に目を向けた。

 0番。特殊試行実験体。

 そう呼ばれた彼女はモニターに意識を向けながらも、しかし、どこか凛と筋の通った声で静かに口を開く。


「…別に。私たち運営側にも、プレイヤーたちにも、特に何か大きな不手際があったわけではありません。今回のゲームは真堂さんが監視を、私は西宮小春にしみやこはるという人物に成り代わり、ゲームに参加していました」


 ―西宮小春。

 さきほど映像で見た青年が口にしていた名前か、と雲十は思う。

 彼はゲームで彼女が殺されたと言っていたが、確かにその通りなのだろう。

 真白は続けた。


「西宮小春は三年前、プレイヤーとしてゲームに参加していましたが、既に脱落し、死亡しています。漣怜也とは、ゲームに参加する以前から、幼少期に入所していた児童養護施設で面識があったようです」

「児童養護施設…っていうのは、もしかしてあそこかの」

「ええ。両名とも幼い時から既に両親がおらず、共に同じ施設で育ったようです」


 黒髪の美人が口にした、あそこの、というのはプレイヤーを効率よく集めるため、組織が入所者の情報を買っているというとある養護施設のことだった。

 プレイヤーはゲームを開催するにあたり、自ら参加を望んだ【自主参加者】と、拉致という形で参加を強要される【強制参加者】に二分されるのだが、漣怜也と西宮小春の二人は間違いなく後者。

 恐らく、施設に売られる形でゲームに参加するはめになったのだろう。

 それに関しては不運としか言いようがないが、そんなことはデスゲームを運営する側である真白たちの知ったことではない。

 雲十は小さく息を吐いた。


「つまり、面識があったから偽物だってバレたってこと?それ、意味ないじゃん」

「…」


 雲十の正直な感想に、真白は眉をひそめ微かに不快感をあらわにする。

 実際、この真白という人物は、運営人の中でもかなり特殊な役割を担っていた。

 彼女はいわば、特殊プレイヤー。

 組織の中では、特殊試行実験体と呼ばれ、重宝される人材だ。

 彼女は脱落した死者の人格を完璧に模倣し、目の動かし方から呼吸の速さまで、完全にその人物に成り代わることができる。

 特殊試行実験体はその特性を活かし、組織が特定の人物のデータを欲し、しかしその人物が途中で死亡してしまい、データの採取が不可能になった場合のみゲームに運用される。

 実際、彼女が模倣する脱落者の人格は完成度が群を抜いており、知人はもちろん、常に生活を共にしている家族でさえも、見分けるのは難しい。

 しかし。


「…」


 真白は数時間前、自身に起きた出来事を思い返す。

 ゲームが終わりに近づき、勝利まであと一歩のところ。

 薄暗い会場。

 さっきまで、西宮小春として普通に彼と接していたのに。

 彼は突如、何かを思い出したように、ふと真白の手を掴んで言ったのだ。



「お前、じゃないだろ」と。



 そして、お前は誰だ、とも。

 …何故見破られたのか、何故彼にはという存在が見えたのか、それは誰にもわからない。

 しかし、強いて言うのだとするならば。


 「…で、どーすんの。受け入れんの」


 静まり返った管理室に響いたのは、ぞっとするほど抑揚のない成世の声だった。

 画面を見つめたまま、しかし、彼は隣にいる真堂にそう尋ねる。

 今までの言動からもわかるように、真堂は運営人たちの統括者であった。

 運営人には特別な立ち位置である特殊試行実験体の真白を除き、能力や功績に応じて1から5番までの番号が与えらているのだが、真堂に与えられたのは不動の

 ゆえに、運営人たちの最終的な判断は毎度真堂に委ねられることになっているのだが。


「…」


 しかしやはり決めかねているのか、真堂は顔を俯かせたまま、目を閉じ黙り込むだけだ。

 真堂さん、と真白が声をかけるも、彼は一切反応しない。

 出資者の意向は組織の一員としてはもちろん汲むべきであったが、実際、彼を同業者として今後も接していくのは運営人たちだ。

 当然、真堂たちには彼の受け入れを拒否する権利がある。

 全員の視線が真堂に向く中、彼はしばらく熟考していたが。

 やがて意を決したように顔を上げると、真堂は持ち前の低い声で彼らの名前を口にした。



「―2番、3番。仕事だ」



 ぴく、と。

 指名された雲十と成世が僅かに反応する。

 彼らが目を向けると、真堂は至極冷静な面持ちで二人を見つめていた。

 いいか、と真堂は二人に問いかける。


「これから彼には、とあるゲームに参加してもらう。お前たちはそのプレイヤーとして参加しろ。彼が俺たち運営人にとって必要な人間なのか、その目で見極めてきてくれ」


 真堂の声が、狭い管理室に隅から隅まで響き渡る。

 彼の血のような紅い眼は、複数のモニターの光に反射して赫焉と鈍く輝いていた。

 厳粛な空気の中、真堂はあくまでも冷徹に言い放つ。



「手加減は不要だ。慈悲や情も一切無用。…使えないようなら、全力で叩き潰せ」

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