第160話 あついおちゃ
あたしはいま、みたらしだんごをたべてる。
ママが、「おだんごにはこれよ」っていいながら、あったかいおちゃをもってきた。
たしかに、おだんごとか、だいふくとか、そういうおかしをたべるとき、おとなはおちゃをのんでるきがした。
あたしは、おちゃをもってこられたら、「ジュースがいい」とか、いつももんくをいっちゃう。
だけど、きょうはおちゃをのんでみることにした。おとなのきもちってやつに、きょうみがあったから。
「いただきまー……あちちっ!」
ぷう!
あつい!
あつすぎる!
おみそしるよりあつい!
「あ、あついよ。って、いうのおそかったね」
ぷう!
おそい!
おそすぎる!
もっとはやくいってよ!
おとなってやつは、みんなこんなあついものを、へーきなかおしてのんでるのか?
おとなって、へんだ。おとなって、すごくて、おとなって、なんだかこわい。
「ふーふーして、ちびちびのむか、すこしさめるのを、まつかだね」
むう。
いってることはわかるけど、そうしたら、おだんごがさきになくなっちゃう。
それに、おだんごをたべながら、のむものがない。
「おこちゃまにはジュースをおだししましょうか」
ぷう!
いま、ママ、ぜったいバカにした!
「へ、へーきだもん!」
あたしは、つよがって、おちゃをちびちびのんだ。
あちち、ってなったら、おだんごをたべた。
おだんごをたべおわっても、おちゃはほとんどへってなかった。
だって、まだまだあつあつだったから。
「ふぅ、ごちそうさま」
ママはおだんごをたべおわって、おちゃものみほしてる!
むう。やっぱりおとなって、なにかちがう。
あたしはそのあとも、ちびちびおちゃをのみつづけた。
「ふわぁ~」
のんだらこえが、でていった。
なにかきになって、ごくんとのむ。
なんだかぬるくて、いいかんじになってる!
「ふわぁ~」
あたしは、のみやすくなったおちゃをのみながら、おちゃがなくなるまで、のんびりほっとひといきした。
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