第152話 みずに、はいりたい!
なつって、なんでこんなにあついんだろう。
あたしは、みずに、はいりたいきぶん。
「ねぇ、うみにいこうよ」
「だめ」
「ぷう。じゃあ、かわ」
「だめ」
「ぷう! じゃあ、プール!」
そういったら、ママがうーん、ってかんがえこんだ。
うみとかわはダメだけど、プールならいってもいいのかもしれない。
「プールかぁ……。でもなぁ。ちかくに、いいプール、ないんだよなぁ」
そんなことはない。
あたしは、しってる。
ちかくに、おおきなすいじょうこうえんがある!
すべりだいとか、ながれるやつとかがある、たのしいすいじょうこうえんがある!
「すいじょうこうえんは?」
あたしはウキウキしながら、ママにきいた。
「あそこは、そとじゃん?」
「ん?」
「あついからヤダ」
ぷう!
そんなりゆう?
「ねぇ、ママ」
「なぁに? リン」
「なんでうみとかわはだめなの? そとのプールがあつくていやなのはわかったけど、おへやのプールならいいの?」
「うみやかわは、あぶないからだよ」
あぶない?
テレビでときどき、みるけどな。
「プールならあんぜんってわけじゃないんだけど、やっぱりしぜんってあぶないんだよね。それに、いまはおぼんだし」
「おぼん?」
「なんていったらいいかなぁ。かっぱがでて、みずのなかにつれていかれちゃうっていうか……」
かっぱ!?
みてみたい!
「ママ、みにいこう!」
「は?」
「かっぱ!」
「おバカ!」
「ぷう!」
なんで『おバカ!』っていわれなきゃならないのさ!
もう、いらいらする!
わかった、わかったよぅ。
うみとかわは、あきらめるってば!
あきらめるけど、やっぱり――
「ぷう!」
「る、には、いこうね」
ママが、くしゃってわらった。
そのかおをみていたら、いらいらがぐちゃぐちゃになった。
あたしもつられて、くしゃってわらう。
「やったぁ。じゃあ、あした!」
「そんなにきゅうには、いけません!」
……ぷう!
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